表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】真壁レオは今日も重い 〜独占欲強めな白銀狼に溺愛されています〜  作者: ほしよみ
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/178

白石唯衣2/真壁レオ7

入社して三ヶ月。

唯衣は、少しずつ仕事に慣れ始めていた。

出来ることが増えた。

任される仕事も増えた。

その分、時間内に終わらないことも多くなったけれど、不思議と苦ではない。

情報が整理されていく感覚。

空間が整っていく感覚。

誰かが働きやすくなる感覚。

それが、気持ちよかった。

気付けば今日も残業していた。

第五統合、空間演出課。

広いオフィスはすでに消灯されていて、唯衣のデスクだけが淡く光っている。

カタカタ、と静かなタイピング音。

あと少し。

この資料を整えれば終われる。

そう思った時だった。

「白石」

低い声。

突然呼ばれ、唯衣は肩を跳ねさせた。

顔を上げる。

そこに立っていたのは、真壁レオだった。

「統括……!?」

こんな時間にいると思わなかった。

レオは暗いオフィスを見回し、眉を寄せる。

「こんな時間まで残る必要あるか」

「申し訳ありません。週明けには提出したくて……あと少しだったので、やり切って帰ろうかなって」

「終電なくなるだろ」

「歩いて帰ります」

「歩き?」

レオの眉間の皺が深くなる。

「ここから二駅離れてる」

唯衣はきょとんとした。

「……統括、なんで知ってるんですか?」

一瞬。

レオの脳が止まる。

しまった。

だが表情は変えない。

「社員データは全部頭に入ってる」

平然と答える。

唯衣の目が、一気に輝いた。

「さすがです!」

満面の笑み。

その瞬間。

レオの心臓が大暴れした。

まずい。

笑顔がまずい。

可愛い。

耳出る。

しっぽも危険。

脳内の獣が床を転がっている。

「……っ」

必死に理性を繋ぎ止める。

「……オレが送る」

「え?」

「車で来てる」

少しだけ目を逸らしながら言うレオに、唯衣はぱっと顔を明るくした。

「ありがとうございます! すぐ仕上げますね!」

再びPCへ向かう。

その姿を数秒見つめたあと、レオは踵を返した。

「五分で戻る」

それだけ言い残し、空間演出課を出る。

扉が閉まった瞬間。

「……やばい」

思わず声が漏れた。

嬉しい。

一緒に帰れる。

車内で二人きり。

オレ、グッジョブ。

顔が緩む。

まずい。

本当にまずい。

でも。

この幸福感を、少しぐらい噛み締めてもいいだろう。

レオは誰もいない廊下で、そっと口元を押さえた。

しっぽが出ないようにするので精一杯だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ