新たな島へ
ひっそり続きを投稿します…しばらく投稿してませんが、のらりくらりと忘れた頃に更新します…
「降りろ!着いたぞ!!!」
大きな音と共に入り口が開かれた。
そこから見えたのは数日ぶりの日の光。
「あぁぁぁ……私たちどうなってしまうの?!奴隷にされてこき使われるのかしら…!」
「ここに居るのは女性だけなのよ?きっと慰みものとして売られるんだわっ!!!!」
一緒の船から拐われてきた女達が俺達の周りでおいおいと泣き始める。
「どこに着いたんだ??リーデンか?」
「いやー、どうだろ。外から音が聞こえねーから違うかもな。リーデンはかなりの船数が入港するからこんな静かじゃないだろ。」
「フェイ、お前な…不安になるようなこと言うなよ。」
もう着いちまったもんはしょうがないんだ。ここからどう逃げるかを考えないと…。
俺は隣ですよすよと眠るシルヴィを揺らして起こした。
「んん…?着いたのか?」
「眠いならまだ寝てていい。抱えてやるから。」
「ふへへぇ……うん!」
きゅっと俺の首に抱きつくシルヴィは幸せそうにふにゃりと目を細めて笑った。
そんなシルヴィが愛おしくて、俺はそっと抱きしめ返す。
「ったく!お前らどこでもいちゃいちゃいちゃいちゃしてんじゃねーですよ!!まったく!」
「…やらないぞ?」
「いや、多分シルヴィちゃんにすっごい顔で嫌がられるからやめとくわ。」
話しながら甲板に昇る階段を踏み鳴らし上っていく。
……外に出て見えた景色は……。
「………………まじか。」
船の外で俺達を出迎えたのは、真っ赤に染められた大きな門構え。
その門にはドラゴンのような怪物が巻き付いている。
「どこだ?ここは。」
「ははっ…こりゃ驚いた。ここは……隠された土地、ゴルドアだ。」
「隠された土地??」
フェイは大きく息を吐くと紙を出し、そこに絵を描き始めた。
「リーデンはここ。ゴルドアはその真下のここ、この辺りの小さい島国。」
「島?」
「ああ、リーデン共和国にも属さない、どことも国交を持たない“閉じられた島”だって聞いたぜ。
まぁ、霧に囲まれてるから見たって言う話も聞かないし、幻の島だって話だけど、この個性的な門の挿絵は本で見た事がある。閉じられてる分、独自の文化が根付いてる島だって書いてあったけど…マジであったんだな。」
「閉じられた島……」
他との国交がないなら聖女信仰の可能性は低い。
なら追われる可能性はなくなるから安心か。
俺はホッと胸を撫でおろした。
問題は何のためにこんなに女性ばかりを集めてるかだけど…。
船員に先導されるようにして俺達と舟の中にいた女性達は、ぞろぞろと甲板からその島に上陸してゆく。
すると門に近付くに連れ、その上に誰かがいるのに気が付いた。
「やぁ、皆さん!ごきげんよう!良く来てくれた!」
響くようなすっきりとした声が辺りに広がる。
顔を上げてみれば入り口の門の上に頭に赤銅色の髪を一纏めにし、ターバンを巻いた男が仁王立ちしていた。
「私はこの島の主、ルイーダだ!そなた達には我が子を産んでもらう!」
ザワリ…とその場が騒然とした。
それもそのはずだ。その男は…その男の姿は……!
「…攫ってくるならもっと若い方がいいんじゃないか???」
「シルヴィ!!!」
その場の空気も読まず、けろんと言い放ったシルヴィに周囲の目線が注がれる。
だけどそれは、おかしなことを言ったからという訳でなく、みんながみんな、そう思ったからで……。
「う………
うわぁぁぁん!!!!!ジェシカぁ!!!!また馬鹿にされたぁぁぁ!!!!」
「ルイーダ様!!!」
舟に乗って俺達を連れて来た海賊の女に思いっきり抱き着き、その大きな胸に顔を埋め泣きじゃくるのは……
どうみても4,5歳の幼児……だった。




