潜入
『シルヴィちゃ~ん、ほんとにこの道大丈夫~!?』
『大丈夫だ!ここは神殿の抜け道で、神官しか知らない。
神官は朝の務めがあるからもう寝ている。ここには誰も来ない!』
「…ならそんなひそひそ話さなくてもよくないか?誰も来ないんだろ。」
「ばっっかザイラス、こーゆうのはね!様式美なの!様式美!」
「はぁ……そうですか。」
神殿の脇にある茂みに入ると祠のような小さな石。
それをずらして中に入ってみれば…かなりの大きさの洞ができていた。
「ひぇぇぇぇ…お、おばけとか出ませんかねぇ~!」
結局着いてきてくれたリリーはフェイの後に着いて歩き、シルヴィは俺の横に寄り添って歩いてる。
ランプを付けて歩いて5分後、奥に白い大理石でできた扉が見えた。
「ここから中に入ると『祈りの間』の真下なんだ。祈りの間の中央の祭壇の鍵をかけたケースに指環は入れられてる。」
「トラップとかは?ないのか?」
「あたしがいた時にはなかったけど、一回鍵を開けられたから厳重には警備してあるかもしれないな。」
そう言いながらドアを開ける。
そこには暗い空間に階段がひとつ。
その階段の上には……。
『シッ!隠れて!!!』
フェイの声に反応して体を伏せる。
……ゆっくりと外を見てみれば…。
「犬?」
そこには真っ白な毛並みの大きな犬が二匹いた。
「うわー…。リードの飼ってる聖獣だ。
気がつかれたら確実にリードが来るな。…うーん。」
「シルヴィ、聖獣って??」
「ああ、リードは召喚もできるんだ。ちなみにあの二匹は近付くと噛みきるだけじゃないぞ、体が白い灰になるまで燃やし尽くされるんだ。」
「えっなに、それ怖い。」
ブルブル震えるフェイとリリー。
「多分あたしは小さい頃から遊んでるから大丈夫だ。
なんとかあいつらの気を引くから、その隙にリリーをケース近くまで連れていって解錠してもらってくれ。」
「えっ、指環の為に俺達命張るの?」
「頑張れ!」
「いや、辞めるって言うとこでしょうよそこは!!!」
話も聞かず、駆けてくシルヴィ。
「…ザイラス、お前の嫁さんの我儘だからな…。お前がなんとかしろよ…。」
「……なんとか…なると思うか?」
俺の声に、二人はブンブンと首を振った。




