最後の仕事
おひさしぶりです!;
「ふぇぇぇぇ……!!すっごい稼いだんですねぇ……!!」
飯をかっ食らう俺達に追加の皿を置きながら、リリーは感嘆の溜め息を吐いた。
「そんなわけで、チケット取れたらもうすぐここ出ていくな。」
「あっ、いえいえお気になさらず!うちはいつでも大歓迎ですからっ!!」
この家の居心地が悪いわけではないけど、やっぱりおたずね者の俺たちがいるのはあまりよくないと思う。
できる限り早く舟のチケットを取って出ていこう。
そう思っていたんだが……。
「ザイラス、まだやらなきゃいけない事があるんだ。」
「……え?」
そこにはシチューのスプーン片手に深刻な顔をするシルヴィがいた。
「神殿に忘れ物、取りに行くって言っただろう?」
「ああ。」
そういえばそんなことも言っていたか。
「じゃあ明日はそれを取りに行ってこいよ。
俺達は必要な買い物にでも……。」
「いや、ザイラス達も来てくれ。」
「はぁ??
あのねシルヴィちゃん、俺達神殿のおたずね者なのよ。いくら髪色とか変えてても危険だから!」
「あ、あとリリーも来てくれ。」
「えっ!? わっ、私もですか!?」
俺達ならともかく、リリーまで?
何を考えているのかとシルヴィを見ると、シルヴィは得意気にふふん と笑った。
「この国を出る前の最後の大仕事だ!!!」
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「よぉし!!みんな準備オッケーだなっ!!!」
「シルヴィ……これは、一体…。」
俺たち全員が着たのは暗めの服に、顔を隠すような三角巾。
そして今の時間は…深夜。
こ…これってまるで…。
「うーん、シルヴィちゃん、あんまり聞きたくないんだけど…どこに行くつもりなのかなっ!」
「うん?神殿だぞ!!」
「いやぁ…だから、神殿に、なんでこんな深夜に行くのかっていう…。」
「ははっ! 周りがうるさいからな!今ぐらいの時間がベストだ!」
「…何を、取りに行くつもりなんだ。」
「ふっふふ~~♪旦那様からもらった、思い出の指輪 かなっ♪♪」
「旦那様…って、もしかして昔の俺…か?」
「ぴんぽんぴんぽん!!!」
「…うーん…シルヴィちゃあん、それってもしかして…。」
嫌な予感がして、俺はフェイと目を合わせる。
「そうだぞ!“聖女の指環”を取りにいくんだ!!!!」
「えええええーーーーーーーーっっ!!!!!」
驚いて声を上げるリリーに、溜息を吐く俺達。
「そそそ、そんな!!また監獄に入れられちゃいますぅ!!!」
「ははは、気にするなリリー。あれは元々私の持ち物なんだ。忘れ物取りに行くだけみたいなものなんだからな! 鍵開け、頼むぞ!!」
「ひえええぇぇぇ!!!無理ですぅぅぅ!!!!」
泡を吹いて倒れそうになるリリーをフェイがなんとか抱きとめる。
うーん、失神させてしまった…。
「シルヴィ、いくらなんでも神殿の宝物は無理だ。諦めよう。」
「嫌だ!!あれは旦那様…ザイラスがくれた私の宝物なんだからな!!」
涙目で見上げられると俺は弱い。
だって…そんなに思っていてくれるなんて…嬉しいじゃないか。
「そうか…ザイラスは一緒に取りに行ってくれないんだな。
指環をくれた時の愛の誓いなんて覚えてないんだ……。」
「うっ……!!!!」
正直前世の記憶を思い出したとは言えまだ断片的に、だ。
指環をあげた記憶は…今の俺の中にはない。
「ザイラスは、一緒に取りにいってくれないのか……???」
そんな…キラキラと星が輝く瞳に、長い睫毛をしばたたかせるシルヴィに俺が勝てるわけもなく……。
「わ、わかったよ……。」
まさかの神殿への泥棒計画が始まってしまったのだった。
続きものだから早く書けるといいな…!!!




