首都到着
「リード……俺は新たな世界を見つけてしまったかもしれない。」
「はぁ?なにワケわからないこと言ってほくそ笑んでるんですか?キモいですよ。」
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船体がゆったりと揺れる。
どうやら着岸したらしい。
まさか……あの変態がルーベンダールの新しい王だったとは……。
シルヴィに聞いてびっくりした。
「ラース!!着いたら色んなもの紹介するな!!」
ルンルンとシルヴィは俺の腕に抱きつく。
もうシルヴィはどう思われてもいいと開き直ったらしい。
俺も……こっ恥ずかしいこと言ったっていう自覚はありますよ、当然。
でもあの王にシルヴィを嫁と呼ばれるのだけは納得いかないので!!!
「おー!ザ…じゃなかった、ラース!
体調大丈夫ぅ?」
フェイが手を振って寄ってくる。
ああ、お前もしてるんだね、女装……。
むしろ様になり始めてると思うのは俺の気のせいだといいんだがな。
その後ろにはリリーが壮年の男性と一緒にいた。
「あれ?リリー、その人ってもしかして…」
「はい、私のお父さんですっ!
取り調べされてあの監獄にはまだ来てなかったみたいで、調度会えて王様の恩赦で無罪放免になりましたっ!」
ニコニコと喜ぶリリー。
うんうん、よかったよかった。
「あっ!みなさんは今日は王宮にお泊まりになりますか?隣町にわたしの家がありますので、宿にお困りな時は是非寄ってくださいね!」
「あっ!それ賛成!!
アタシ王宮は合わないと思うんだ!こんな格好続けなきゃなんないし!」
…確かに。
王様のあの状態からすると、連れていかれる確率100%だ。
ずっと女装なんて……耐えられない。
「わたしはラースについてくぞ」
シルヴィは俺の腕を握り直した。
もちろん、俺も連れていく気でいるし。
ああでも、あの王が何か言ってくるかなぁ…。
「あっ!そうだ、でもわたし、神殿に忘れ物を取りに行かなきゃならないんだ。悪いけど後でまた別の日に取りに行くから、一緒に行って貰ってもいいだろうか。」
シルヴィが思い出したように付け加える。
「?ああ、もちろん」
「リリーも付き合って貰っていいか??」
リリーも??
「えっ?何でしょう?もちろんいいですけど…。」
「よろしくな!!」
ニコニコと笑うシルヴィ。
何だろう、女の子じゃないとまずい何かがあるのかな?
「みなさん、船を降りますよ」
長い金髪の女の人が迎えに来た。
ニコニコ微笑むその人は、優しげな女の人だった。
「あら、ラースさん体調はどうですか?」
「あっ、もう平気です。」
「ラース。この人はリードワースだ。
私の母親みたいな人なんだ。ラースに回復魔法かけてくれたのもリードなんだ。神殿の大神官の一人だ。」
神殿の大神官という言葉にビクッとする。
後ろのフェイを見るが手をブンブン降っている。
天敵にこんなところで遭遇。
しかもシルヴィの母親!?
どちらにしろ心象を悪くするわけには!
「そっ…それは助けてくださって本当にありがとうございましたっ!!!
シルヴィのお母様っ!!」
勢いよくお辞儀をしたが、なぜか反応がない。
静かに頭をそっと上げると、その微笑みの周りにブリザードが見えた。
「ふふっ…
シルヴィ、ラースさん、私のことは
"お姉様"
のリードワースでおねがいしますね」
…参った。のっけから心象最悪。




