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盗賊は聖女に愛される  作者: ton
3章
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誓い

目が覚めたのは、ベットの上だった。


あんなに大怪我をしていたはずなのに、痛みがない。難なく起き上がれた。


「シルヴィ…?」


ベットの側にはシルヴィがすやすやと眠っていて。

看病してくれて疲れていたのか、俺が起きても反応しないくらい熟睡している。


頭をそっと撫でると、すこしだけ体を捩る。





思い出してしまった記憶は、正直、忘れていたかった。

どうしてもあの頃の感情に引きずられてしまう。


過去の俺の心に襲ったのは、圧倒的な孤独と絶望。

心が黒く塗りつぶされ、そこからまるで人形になったように、あの黒の魔王に変化した俺に体の主導権を握られてしまった。


でも、覚えている。

たくさんの村や町を潰した。

人の命を奪った。



俺は、魔王だ。



闇を司る王から、

まさに魔王になってしまっていた。



「見た目だけだと…思っていたんだけどな」



そしておそらくは。

シルヴィが聖女…なのだろう。



「なんで…。」


過去の記憶が揺り動かされるように襲ってくる。

涙が一筋、頬を伝った。



あの頃の俺は、自分の孤独や絶望にうちひしがれて、なんでこんなことになったのか と、毎日自問自答を繰り返していた。

聖女である彼女の願いを恨みに思ったこともある。だから生まれた。あんな怪物が。


でも。

こうやってシルヴィ…聖女と呼ばれていた彼女を目の前にすると、不思議とひとつしか言葉が出てこない。




「…会えて うれしい。」




シルヴィの頭にそっと唇を落とす。




うれしい。


また、会えた。




今度こそ


「ずっと、一緒に」



一緒に いる。




そう、心に誓いを立てた。


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