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盗賊は聖女に愛される  作者: ton
3章
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シルヴィに連れていかれたのは最上階。

角の看守長室を開けると、驚く光景が目に入った。


半壊に近い壊れた天井。

そういえばここに来るまでにも看守一人にだって会わなかった。

一体何があったというの?



「リード、この人の容態を見てくれ」


そう言われ、この空間に3人の人がいた事に気づく。


茶色いボブヘアーの民間人っぽい女の子。

あとは…ちょっと狐目の、髪をアップした細めの女の人。

シルヴィよりは…歳上の女の人なのかしら。

弓をもっているから、狩人なのかもしれない。


一番びっくりしたのが、狩人の女の人が支えている人。


息も絶え絶えという様子のその人は、ネイビーブルーの長い髪に、黒レースのロングドレスを纏って、肩にはショールを羽織った、



…凄く美しい、美女だった。




「リード!!!この人は絶対救え!!!

俺の3人目の嫁にする!!!!!」



ハイ!言うと思ったーーーーー!!!




とりあえず、さらりと無視するに限る。


「でもシルヴィ、貴女の光魔法の方が強いんだから、私の聖魔法より回復が早いんじゃないの?」


「あーっと…… この人ちょっとわたしの魔法が合わないみたいで、調子が戻らないんだ!」


「?そうなの?」


シルヴィの魔法が合わないということは余程繊細なのだろう。

シルヴィの光魔法はよくも悪くも強い。

その人の生命力を一気に解放させ、超活動状態にする光魔法は、確かにこの弱っている人にとっては辛いのかもしれない。


「わかったわ、やってみるわね」


繊細みたいだから、まずは軽くヒールをかけてみる。

うん、少し眉間の皺がとれて、楽にしているように見える。


その後ハイヒールを数度かけ、うっすらとその美女は瞳を開ける。


「ザ……、


ラース!!!」


シルヴィが涙ながらに駆け寄って、その手を掴む。

ラースさんと言われたその人は、まだ言葉を出せるまでには回復してなかったようで、シルヴィの姿を見てホッとしたのか、微笑むとまた、ゆっくり瞳を閉じて寝てしまった。



びっくりしたのはシルヴィの様子だ。


ラースさんにかなりなついているのか、子供みたいに涙を流して泣きじゃくっている。

あの日、人買いに買われて牢に繋がれ、感情のなくなったモノのように死んだ目をしていたこの娘が。

私たちの前でさえ、こんなに感情を露にしたことなどなかったように思う。



そういえば、シルヴィは男性と一緒にいたという話があがっていたが、それはもしかしてラースさんの事だろうか。

ラースさんなら背も高いし、洋服によっては勘違いすることも頷ける。




「やっべぇ……女神光臨……。」



……取りあえずはシルヴィからよく話を聞いて、このバカを締めるところから始めましょうか。


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