出発
ルーベンダールサイドです。
「あら、クソ王様。何をしてらっしゃいますの?」
「……女の子がそんな言葉遣いするものではないぞ」
今の状況を説明しよう。
王が働かないと文官が嘆いて私に報告しに来る
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探すが見つからない
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窓を開けたら、ロープに吊り下がって脱出中
↑
今ココ
「さようなら」
私はロープにハサミで切れ目を入れた。
「わ~!!やめろ!」
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「まったく!!!!
貴方は王になったという自覚はあるんですか!!」
「リードワース様……だからってこれは流石にやりすぎでは…。」
「むーぐぐむぐぐ!!!(訳/そうだそうだ!!!)」
捕まえた王は口に布を噛ませ、手足を縛ってボコボコとした石の上に座らせている。
気の弱い文官が胃を押さえながら私に進言するが、私はこの王の本質を知っている。
バカ王…ラクスはこんなことでは懲りない。
それを証明するかのように、ほら、もう光の魔法を使って口当ての布を焼いてしまった。
「俺はだなぁ、シルヴィが心配でさがしに行こうと…」
「却下。護衛がついていますので大丈夫です。
貴方は王なんですから貴方しかできないことをやってくださらなければ困ります。」
「そこをなんとか!な!リード♪」
ドスン と私は王の決済が必要な書類を机に置く。
…私だって分かっている。
この王は、王という職業には向いていない。
勇者の血筋で、光魔法の後継者と言うだけで、悪の王制を倒すために担がれた、哀れな人だ。
彼は風を受けて自由に冒険をする方が向いている。
しかしながら、担がれたとはいえもう王なのだ。
覚悟を決めてもらわねば。
そう考えていたからかもしれない。
ひとつ目の報告書をみてピーンときたのは。
「王…ではここから出たいのですね?」
「えっ!いいのか?!」
案の定食いついてくるラクス。
「いいですよ。
ただ、行くのはフュエール監獄です。
どうやら暴動か何かが起こったようで救援の手紙が来ています。その有り余った力を解放してきてください。
あなたならヘタなことでは死なないでしょうから。」
「え…シルヴィ捜索は…?」
「それは却下だと言いました。」
そういうことで秘書の文官に書類仕事を押し付けて、王とお目付け役で私がフュエール監獄に出発した。
秘書の文官は泣いていた。
書類仕事を押し付けたからかなと思ったら、王のお世話をしなくていいのが嬉しくて泣いていたらしい。
……苦労かけてごめんなさいとしか言えなかったよね。
「あれがフュエール監獄かぁ」
川から外海に出て3日。
私たちはフュエール監獄の下に着いていた。




