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盗賊は聖女に愛される  作者: ton
2章
25/53

最上階

「あ~ああ

つっまんないの~!」


足元で蹴っ飛ばしたのは、何人目の躯だったか。


「看守もたいしたことないし。


もうここにいても意味ないかな。

ひとりもいなくなっちゃったし。」


看守長の部屋の椅子にふんぞりかえって座った人物は。

その遠くから聞こえる物音にピクリと反応した。


今までとは違う音。



「ふふっ…

まだ、楽しめそうかな。」



その人物は、楽しそうに顔に笑みを浮かべた。



---------------


「ここが最上階か」



フェイとリリーを残して、シルヴィと一番上階までやってきた。



……気のせいじゃなければ今までで一番血の臭いが濃い。

腐った臭いもしない。

これはまるで……。




「……シルヴィ、俺から離れるな。後ろからついてくるんだ」

「…わかった」




まるで、今さっきまで血が流れていたかのようだ。





少し歩くと何体か死体が見えた。

見てみるとやはり傷痕が新しい。


「これは切傷…なのか?」

死体は全て、身体を鋭い杭で突かれたような、裂傷で息絶えていた。

しかも何ヵ所も傷がついている。


「くっそ……!」


傷をつけて、いたぶったあとに殺したのが明らかに分かって、その残忍なやり方に怒りがこみ上げる。




シルヴィと魂を送る。


見送っていると、



(キヲツケテ…)

そう、ひとつの魂が呟くのが聞こえた時だった。





バァン!!!!




次に開けようと思っていた部屋のドアが勢いよく開き、周りに突風が吹き荒れる。

あわててシルヴィを抱き寄せて、突風を腕で避ける。

風がおさまり、ようやく開いた瞳で見つめると。





「いらっしゃい」





そこには、14、5歳くらいの少年がニッコリと笑っていて。





「うそ……だろ???」





その髪は漆黒の黒。

瞳は紅色の赤。







「こんにちは。」



俺と同じ、魔族の容姿の少年がそこにいた。

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