最上階
「あ~ああ
つっまんないの~!」
足元で蹴っ飛ばしたのは、何人目の躯だったか。
「看守もたいしたことないし。
もうここにいても意味ないかな。
ひとりもいなくなっちゃったし。」
看守長の部屋の椅子にふんぞりかえって座った人物は。
その遠くから聞こえる物音にピクリと反応した。
今までとは違う音。
「ふふっ…
まだ、楽しめそうかな。」
その人物は、楽しそうに顔に笑みを浮かべた。
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「ここが最上階か」
フェイとリリーを残して、シルヴィと一番上階までやってきた。
……気のせいじゃなければ今までで一番血の臭いが濃い。
腐った臭いもしない。
これはまるで……。
「……シルヴィ、俺から離れるな。後ろからついてくるんだ」
「…わかった」
まるで、今さっきまで血が流れていたかのようだ。
少し歩くと何体か死体が見えた。
見てみるとやはり傷痕が新しい。
「これは切傷…なのか?」
死体は全て、身体を鋭い杭で突かれたような、裂傷で息絶えていた。
しかも何ヵ所も傷がついている。
「くっそ……!」
傷をつけて、いたぶったあとに殺したのが明らかに分かって、その残忍なやり方に怒りがこみ上げる。
シルヴィと魂を送る。
見送っていると、
(キヲツケテ…)
そう、ひとつの魂が呟くのが聞こえた時だった。
バァン!!!!
次に開けようと思っていた部屋のドアが勢いよく開き、周りに突風が吹き荒れる。
あわててシルヴィを抱き寄せて、突風を腕で避ける。
風がおさまり、ようやく開いた瞳で見つめると。
「いらっしゃい」
そこには、14、5歳くらいの少年がニッコリと笑っていて。
「うそ……だろ???」
その髪は漆黒の黒。
瞳は紅色の赤。
「こんにちは。」
俺と同じ、魔族の容姿の少年がそこにいた。




