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盗賊は聖女に愛される  作者: ton
2章
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神殿

ルーベンダールサイドです。

「ほーう、じゃあとりあえず見つかったわけだ」

「ひと安心しました…。」



報告をする兵を前に、リードワースは大きく息を吐いた。



それもそのはず。

白き華という異名をもつ、神殿に保護されていた少女は光の魔法を使い、聖女の再来とされていた。

そんな少女を逃がしてしまったのだから。




「はははっ!

シルヴィも勝手だなぁ~!」

「王…、笑えません…。」



この王は私のヒヤヒヤした心など我知らずなのだ。

本当に自分勝手。


手にいれると決めたものは絶対に手にいれるし、力を使ってでも我を通す。

正義感を持つ人物でなければ最悪なところだ。

溢れでるカリスマ性に、ライオンのたてがみの様な色の髪は、周りからそのまま獅子の王と呼ばれている。



「もっと心配してくださいよ。王は勇者の末裔でしょう?」

「心配ないだろう。シルヴィの強さはわかっているし。

まぁ、俺の嫁になるまでの間は自由にさせとくのも社会勉強だからな。」


またこの王は…。


「はあ……、嫁ですか…。」

「あっ!リード嫉妬した?!

リードだって同じくらい愛してるよ!

大丈夫!ふたりとも嫁に貰う予定だから!!」




…訂正する。

王の悪いところは、我儘なところと女好きなところだ。



「あっ……あのぅ…。」


報告してきた兵が、おずおずと話しかける。


「ん?なんだ??」


「ええっと……言いづらいのですが、

シルヴィ様はお一人ではなく…


その…ある男性と一緒で…。


大変、仲睦まじくされていました…。」




「…。」

「…。」






「兵を出すぞ!!!

シルヴィ救出に向かう!!!準備せよ!!」

バサリと金のマントが翻る。


「わあああ!! 王ともあろう者が私用で兵を動かさないでくださいっっ!!!」


「だめだ!俺の嫁が一人減る!!」




「こんっのバカ王!!

女好きも大概にせんかぁ!!!!」


「ぐええっっ!!!」




私は杖で王を殴って気絶させた。




「…ええっと、リードワース様、よろしいので?」


「バカを止める方法がこれしかなければ仕方ありません。

それより、シルヴィはどんな感じでしたか?」


「ええっと…、私が神殿で見ていたお静かなシルヴィ様ではなく、大変楽しそうにされていました。」





貴族の慰みものとして売られ、逃げだしたところを私と王となる前の…まだレジスタンスとして活動していたラクスとで保護した。


スラムで初めて見たあの時。

全てを諦めたようなあの瞳は、今でも思い出すと不思議と身震いがする。

なのにあの子が光の魔法を使った時は驚いた。

キラキラと輝く光の粒で、生きている全てのものの力を目覚めさせる。


あの魔法を使えるのは聖女と

聖女の力を引き継ぐ勇者の末裔である王。ラクスだけだ。





「…そうですか、わかりました。

追ってお願いする事もあると思います。下がりなさい。」



個人的には幸せにしているならそのままにしておきたいけれど。

ラクス王がそうしておくことができないとは思うし。




「とりあえず、一緒にいるという男を調べないといけないわね。」


聖女は、神殿にいるのが一番相応しいのだから。

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