俺の幼馴染みが○○だった件
また途中からザイラス視点に戻ります。
ドンッッッ!!!!
ザイラスを中心に大きな衝撃波が起きる。
「うあっっっ!!!!」
風圧と共に、かまいたちのような鋭い刃が身体中を襲う。
倒れこんだ俺と反対に、ザイラスはゆらりと立ち上がった。
やっべぇ……
あいつ絶対意識ねーし!!!
遠い目をして微笑んだ口元がひどく恐怖を煽る。
そしてザイラスはニヤリと笑うと右手を上げた。
その右手には、さっきの魔法師と同じ、うねった気が集中していた。
ただ、めっちゃ真っ黒なデカいうねりができてるけどな!
ラスボス感半端ないけどな!!!!
ザイラスがその手を振ると。
ゴウッ!!
音と共にその暗黒は敵の兵に襲いかかる。
「うあああああああっ!!!」
魔法師は流石と言うべきか、自分の周りだけシールドを張って防いでいた。
ひどい風圧に目も開けない。
暫くたってゆっくりと目を開ければ。
敵の兵士は魔法師を除いて全員消えていた。
え……敵さんどこいったの??
「暗黒魔法とはね……。
あははっ 本でしか見たことない魔術をここでお目にかかることになるなんて。あたしも運が悪いわ。」
さっきまで威勢のよかった男女の魔法師から笑顔が消えていた。
「暗黒魔法……?」
頭の中で、爺さんの本棚でいつか読んだ文献を思い出す。
それは確か創世記。
この世界は光と闇から始まった。
光の粒からこの世を照らす聖女が生まれ。
闇の涙からこの世を眠りに導く魔王が生まれた。
確かその魔王が用いていた魔術が暗黒魔法だったはず。
でも確かそれは……。
「暗黒魔法。
それは魔王しか使えない闇の魔術だ。」
高い声。
振り返ればそこには。
「ザイラス。運命だといったろう??」
極上の微笑みでにっこりと笑う、シルヴィがいた。
---------------------------
真っ暗な、先の見えない道をひとりで走っていた。
ーーーフェイはどこに行った?みんなは?
逃げられたのだろうか? それだったらいいのだけれど。
俺なんか置いていってもいい。みんなの命の代わりになるなら本望だ。
小さい頃から、こんな見た目の俺なんかを、仲間として受け入れてくれた。
村のみんなが黒髪で魔族として敬遠されているなかでも、俺はこの目を持っていることで同じ村の中でも遠巻きにされることも多かった。
だけど、爺さんやフェイ、狩人の仲間たちはそんなこと気にせずつきあってくれた。
だからこの身体が役に立つならそれでもいいと思っている。
そういえばシルヴィもこんな見た目の俺に抱きついてくるとか、面白い娘だったな。
フフッと笑いがこぼれでる。
ああ、走りすぎて身体が重い……。
そろそろこの命も終わりかぁ。
できたら次生まれるときは、本当に普通の見た目がいいな。
それで普通の人生を送るんだ。
そんなことを考えていると。
目の前にスッと一本の光が差し込んだ。
ああ。
この先に新しい人生があるのだろうか。
なんだかとても暖かい。
こんな光をずっと探していた気がする。
俺は求めるように、その光に手をのばした。




