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盗賊は聖女に愛される  作者: ton
1章
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覚醒

途中からフェイ視点に切り替わります。

ゾワリ と鳥肌が立つと同時に。






ゴキリ






背中の骨が、傾いだ気がした。






「悪気はないんだけど。ごめんなさいねぇ~!」

魔法師の手元には、バチバチとした雷の渦。


「やべぇ!!ザイラス、逃げるぞ!!」





目の前が紅く染まる。

血が沸騰したかのように、体の至るところが悲鳴をあげている。

ミシリミシリと壊れ始める俺の身体。



何が…起きている…??






「おい!ザイラス!逃げるんだよ!何座りんでるんだよ!

死ぬつもりか?!!」

「いやぁねぇ、逃がすと思ってるの?フフフッ♪」




フェイの声が遠い。


喉がカラカラに乾く。


俺は……

誰だ…………???






------------------




男女の魔法師が狙ってるっていうのに、ザイラスのヤツが座り込んで動かない。


魔法師が出てきた時点で、仲間たちは村に向かわせた。

どー考えても勝ち目ゼロ。

無駄死にすることないし、うまく逃げられたらそれに越したことはないし。


ザイラスなぁ~。。


くそ真面目で頑固で融通きかない幼馴染。

ほっといたら一番に死ぬ。むしろ自分から負ける戦いに飛び込んで死ぬ。



ああああ~~!!

このままほっとくわけにもいかねーし。

一応幼馴染だし。

俺の体じゃこのデカイ図体動かせねーし。



チーン。



詰んだ。



俺の人生これまで。

グッバイさよなら


あばよ!!!





覚悟を決めた。



……ハズだった。






ブワリ

生暖かい風が吹いた。


天上に輝いていた太陽が、黒い雲に覆われる。


なんだ?

さっきまでの天候がまるで塗り替えられたような……。



不思議と感じる、鉄のこもった血なまぐさい臭い。


「え……??」




ポツリポツリと降り始めた雨を見て驚いた。




「嘘だろ……??」

血の雨が、シミのように体を濡らした。





「ッアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」






メキリ





隣から聞こえた悲鳴と、軋む音。







「は……?


なんの冗談……??」






かがんだザイラスの背から

ジトリとした滑りで覆われた

黒い翼が出現していた。

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