覚醒
途中からフェイ視点に切り替わります。
ゾワリ と鳥肌が立つと同時に。
ゴキリ
背中の骨が、傾いだ気がした。
「悪気はないんだけど。ごめんなさいねぇ~!」
魔法師の手元には、バチバチとした雷の渦。
「やべぇ!!ザイラス、逃げるぞ!!」
目の前が紅く染まる。
血が沸騰したかのように、体の至るところが悲鳴をあげている。
ミシリミシリと壊れ始める俺の身体。
何が…起きている…??
「おい!ザイラス!逃げるんだよ!何座りんでるんだよ!
死ぬつもりか?!!」
「いやぁねぇ、逃がすと思ってるの?フフフッ♪」
フェイの声が遠い。
喉がカラカラに乾く。
俺は……
誰だ…………???
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男女の魔法師が狙ってるっていうのに、ザイラスのヤツが座り込んで動かない。
魔法師が出てきた時点で、仲間たちは村に向かわせた。
どー考えても勝ち目ゼロ。
無駄死にすることないし、うまく逃げられたらそれに越したことはないし。
ザイラスなぁ~。。
くそ真面目で頑固で融通きかない幼馴染。
ほっといたら一番に死ぬ。むしろ自分から負ける戦いに飛び込んで死ぬ。
ああああ~~!!
このままほっとくわけにもいかねーし。
一応幼馴染だし。
俺の体じゃこのデカイ図体動かせねーし。
チーン。
詰んだ。
俺の人生これまで。
グッバイさよなら
あばよ!!!
覚悟を決めた。
……ハズだった。
ブワリ
生暖かい風が吹いた。
天上に輝いていた太陽が、黒い雲に覆われる。
なんだ?
さっきまでの天候がまるで塗り替えられたような……。
不思議と感じる、鉄のこもった血なまぐさい臭い。
「え……??」
ポツリポツリと降り始めた雨を見て驚いた。
「嘘だろ……??」
血の雨が、シミのように体を濡らした。
「ッアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」
メキリ
隣から聞こえた悲鳴と、軋む音。
「は……?
なんの冗談……??」
かがんだザイラスの背から
ジトリとした滑りで覆われた
黒い翼が出現していた。




