チャラ男がやって来た
玲花視点から悠仁視点に変わります。
目が覚めると、私は床からベットに移動していた。いきなり起き上がったせいか、頭がぐるぐるしている。
誰が私を運んだんだろうか。
「玲花チャン起きたんだね」
そこには眠そうな悠仁がいた。
「俺、わざわざ朝早くに来て、玲花チャンの看病してたんだから感謝してよね」
あの電話で言っていたこと、本当だったのか。
「無理はいけないよ、玲花チャン。勉強するのが好きなのは分かるけど、やり過ぎ」
まるで、晴樹のようなことを言う。やっぱり悠仁が晴樹?
……いや、人が倒れたら誰だってそう言うよね。
「これからは絶対にしないでね?」
うーん……。するかもしれないけど家族のためだと思って控えた方がいい気がするし、頑張ろう。
「返事は?」
笑顔の圧が凄い。
(何だか悠仁に負けた気がしてむかつくわ)
「……わかったわ」
何だか、お母さんみたい、と言うより、晴樹の生き写しのような、何て言うか……。まぁ、世界は広いから似ている人だっているはずだ。ちがうちがう。最近なんでも悠仁の行動を晴樹に当てはめるのはやめよう。そして今悠仁を晴樹だと思ってしまうのは私が弱っておかしくなっているだけだ。
「私の好きだった人もそんなことを言う人だったわ」
「どんな人だったの?」
「私は、その好きな人の会社に秘書として勤めていたんだけど、彼は優しくて、笑顔が素敵で、私を凄く大切に思ってくれていた人なの。でも私は、彼をおいていっちゃった」
いつもならこんなこと言わないのに、体調が悪いせいか自分の弱さが出てしまっている。
(ダメダメね)
それを言ったとたん、悠仁が真面目な顔になってしまった。
(どうしたの?)
「玲花チャン……あのね」
私は眠たくなってしまって、そこで寝てしまった。
……………………………………………………
「タイミング悪いなぁ」
また俺は玲花に聞こうとしたことを言えずに終わってしまった。いきなり寝るとか誰も思わないだろう。
さっき玲花が好きな人の事を話しているとき、いつもと違う、俺なんか見てない遠い人のような表情で話していたから、少し焦った。
と言うか、今回の件で玲花があの人だと言う可能性がまた高くなってしまった。でも、玲花があの人なら、俺がこんなに玲花に心を引かれてしまう理由も確かになる。
今無防備に寝顔をさらしている玲花を見ると、抱き締めてあげたい衝動にかられてしまって大変だ。いつもは縛ってある赤色の長い髪も今はおろされていていつもとはちがう雰囲気だし、制服とはちがう薄着のパジャマだから、玲花の大きい胸がいつもより強調されて見える。しかもボタンが2つくらいとめられていない。
よく見ると凄く顔が整っていて綺麗な顔をしているし、今になってキャラクター全員美形にするのは心がやられてしまうなと感じた。玲花はモテるだろうけど気づいてないだろうな。いやいや、そんなことよりも服をどうにかしよう。
けしからん感じになっていて、中学生とは思えないほどの色気を感じる。いつもとはちがう。これはいけない。
俺は自分で言っておきながら恥ずかしくなって、パジャマのボタンをしっかりしめて、玲花の布団をかけ直しておいた。玲花は、誰にでもこんなに無防備なのだろうか。それともただ弱っているだけでいつもは違う?
……難しいな。
折原さんの別荘にいる間に、玲花に聞ければいいんだけど、ヘタレと太鼓判をおされる俺だから、無理かもしれない。俺はポケットに入っている繋がりを握りしめた。
よし、頑張るぞー!……なんか、前にもこんなこと言った気がするけど、気のせいだよね。うん。気のせい。
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