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ドイツ軍召喚ッ!〜勇者達に全てを奪われたドラゴン召喚士、元最強は復讐を誓う〜  作者: LA軍@呪具師(250万部)アニメ化決定ッ


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第9話「第二騎兵連隊(前編)」

※ ※ 第二騎兵連隊駐屯地にて── ※ ※



 ォォォォォォオオオオオン…………!

  ォォォォォォオオオオオン…………! 


 その轟音は、夜明けの空とは逆からやってきた。

 それは、まるで暗い闇を背負うように……。

 未だ闇に抵抗する薄暮の向こうから、空を震わす羽音を立てて───。


 ……?


 最初にその異変に気付いたのは第二騎兵連隊の夜を守る不寝番達。


 聞き間違えかと思ったのは彼等の神経が高ぶっていたせいだろうか?


 毎夜毎夜、前線ではあらゆる物資(・・)が消耗されているが、それはここ───野戦師団の最精鋭と呼ばれる騎兵連隊も同様であった。すすり泣く物資(・・)こと、異端者の係累たちを夜の暇つぶしに異端者の係累の女たちを夜通し甚振っていたおかげか、そのせいか。

 血だけはやたらと騒ぐ彼等が気付いた時、突如、空が真っ赤に燃え上がった。


 ……っ?!

 …………!!


 それは、野戦師団郊外に独自の勢力を持っていた魔法兵団の翼竜部隊の壊滅の光だったが、彼等にはそれを知る由はない。

 秘密のベールに包まれた魔法兵団と野戦師団はほとんど交流がなかったからだ。


 だが、それでも最前線を預かる軍人たちだ。

 何か異常事態が起きたことを敏感に察知すると、気のせいなどで収めることなく、手早く報告分をしたためると若い将校を伝令として本部に送りにこんだ。


 急げ急げ! と───。


 その第一報を発したころには、

 薄暮の中にボトボト落ちる翼竜の姿を目の当たりにした不寝番達。そして、すぐさま気付く。


 これは……。

  これは──────。


「く、」


 く……!


「空襲??」


 夜の暇つぶしに、女たちを甚振っている場合ではない!!


 異常事態だ!! いや、緊急事態だ──────あああ、ちがう!!

  そうじゃない!! さっさと警報を出さなければ!!


 散々に責めたてていた女たちを投げ捨てると、急いで衣服を整え鐘楼に向かう。そして、誰憚ることなく空に向かって叫ぶ兵士たち───。


「空襲、警報ぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおお!!」


 カンカンカンカン!!

  カンカンカンカン! カンカンカンカンカンカン!!


「空襲警報発令ぇぇぇえええ!! 空襲警報発令ぇぇぇぇええええええ!!」


 すぐさま駐屯地中に響き渡る警報に、夜明け前の目覚めする直前の兵士たちがたたき起こされる。


 ……さすがは最前線の精鋭部隊。一度異変を察知すると無茶苦茶迅速に行動開始。

 跳ね起きる兵士たちは、剣も兜もそこそこにすぐさま呼集の窓口に立ち、バタバタと体勢を整え始めていった。


 事態はともあれ緊急事態であると───。

 そして、不寝番にたたき起こされた将校たちが「なんだなんだ?!」「何事だ!?」と慌てて会議室に飛び込み情報収集を開始する。もちろん、正確な情報は誰も持っていない。


 そのうえ、どいつもこいつも寝ぼけ眼か、夜通し女を甚振っていたかで、誰もかれもが充血した目をしている。

 それは、この連隊を預かる長たるギーラン・サーディス卿とて同じであった。


 バタバタと騒々しく駐屯地全体が揺れ動く気配に、

 夜明け前の連隊長執務室でウトウトとしていた連隊長は不機嫌そうに顔をあげた。


「空襲だと?」


 ペッ……!

 顔についた新鮮な血を拭いとると、そこに図ったように部下が駆け込んできた。


 バンッ!!


「し、失礼します!!」

「馬鹿もの!! 誰の部屋と心得るか!!」


 建物中に響き渡る大音声に、駆け込んできた若い将校がビシィ!! と威容を正して恐縮する。


「も、もももも──もうしわけありません!!」

「……ち! イイから話せ! 何事だ?!」 


 反射的に怒鳴りはしたものの、言われるまでもなく緊急自体なのは警報からも知っていた。

 ならばさっさと詳細を話させた方がいい。


「は、ははー!! ほ、報告しますッ!」


 間抜けなタイミングでの敬礼。

 若い将校はいわれるがままに、口を開きつつも、部屋の隅でズタボロになった異端者の係累と思しき女たちの亡骸を見て顔を引きつらせる。


 苛烈な連隊長だとは聞いてはいたが、夜通しこれをしていたのだと思うと、自分がいつ同じ目に合わないとも言い切れないとばかりにつばを飲み込みつつ、慌てて報告。


「ふ、不寝番についていた当直将校より至急伝です!───じょ、じょ、」


 じょ───??


「何の話だ!! はっきりせんかぁぁぁあ!!」


 よほどの事態に舌が回らない若い将校に苛立つギーラン卿。

 ただでさえ、夜明け直後にたたき起こされて駐屯地中が殺気立っているのだ。


「……じょ、上空にドラゴン現出!!」


 は?


「…………はぁぁぁあ?!」


 ド、ドラゴンだぁっぁあああ?!?!

 ……何を言っとるんだコイツはぁ!?


「朝っぱらから何を寝ぼけたことを言っとるッ!! まーーーだ目が覚め取らんのかぁぁぁ?!」

「も、もうしわけありません!! し、しかし!!」


 反射的な反証に眉根を寄せるギーラン卿であったが、構わず若い将校は言う。

 そう。一気に言う!!


「ド、ドラゴンです!! 間違いなくドラゴンであります───……一騎、いえ、数十のドラゴンらしきものが現出!!」

「あぁん?! そんなはずあるか!! 翼竜と見間違えたのではないのか?!」


 若い将校ならありうる話だ。

 血気だけ盛んで経験の少ない兵士ならば、翼竜とドラゴンを見間違うこともあるだろう。いや、そうに違いない───。


 魔王軍との戦いに備えて前線には監視網が張り巡らされているというのに、その警戒を突破していきなり駐屯地上空(・・・・・・・・・)に現れるなど不自然極まりない。


「よ、翼竜ではありません!! 自分はこの目で見ました!! ドラゴンです!! ドラゴンに間違いありません! し、しかも───」

 なおも食い下がろうとする若い将校だが、


 ……しかもぉぉぉ???


 仮にそんな事があるとしたら、それは最強の召喚術士、殺戮翁ことバンメルが裏切りに違いない。

 そう。警戒を破って内側にドラゴンを出現させるなどドラゴン召喚士にしかできない芸当だ。


 つまりそんなことは絶対にありな──────

「───し、しかも、ドラゴン上に人影を多数確認!! あ、あ、あ、あれは、ドラゴン召喚士です!! ドラゴン召喚士の来襲です!!」


 な、

 なんだとぉぉぉぉおお?!


「ドラ、ゴン……召喚士ぃぃ?」


 ば、ばかな?!

 魔王軍にドラゴン召喚士などおらん!!


 居るとすれば、王国広しといえど、ただ一人───。

 それもとっておきのドラゴン召喚士にして王国軍の最高階級者の───バンメル元帥のみ!!


「おい、要領が掴めん一体何事だ?! バンメルが乱心でもしたか───」 

「はッ!! その通りであります!! 敵は───敵は、」


 ば、ばかな?!

 バンメルが反旗を翻した───……馬鹿な?!


「ありえん! ありえんだろうが!!」


 人一倍魔王軍に対し敵愾心の強いバンメル。

 そのバンメルが魔王軍のために手を貸す───??? そんなの天地がひっくり返っても無理だ。

 つまり、本心はそこではない。


「て、敵はバンメル元帥だけにあらず!! 敵はぁっぁああ─────────!」


 ───な、な、ナナナナ……、

「なぁ?? 何を言っとるか──────」





 ()セル・バージニアの襲撃です!!!

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