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13/17

#10 俺が━━━━


 痛重い身体を引きずり、部屋にたどり着いた。



「遅くなって悪ぃ……アップデートするから待ってろ」



 ポケットからスマホを取り出す。



「あっ……」



 画面が……割れている。


 本体も、歪んでいる……




 ……なんだよ、これ……





―――――――――――――――――――――――






 ―――― マスタッー!!!



 甲高いブレーキ音が、耳の奥で弾けた。



 ―――― ……たのし……かっ……





―――――――――――――――――――――――




 あの時の光景が鮮明に蘇った━━━━




「くっ……!」



 なんで……



 喉が、締まる。

 息が、吸えない。



「うっ……ぁ……っ……!」



 声にならない。

 涙だけが、勝手に溢れてくる。




 なんでだよ……


 俺……なにしてた……


 違う……だろ……


 こんなの……




 スマホを胸に抱え、気が済むまで泣いた……





━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




 いつの間にか、部屋の中は真っ暗だ。



「おいっ、今…何時だ?……」手探りでスマホを探す。



 スマホに触れたとたん、意識がハッキリした。




「……………………」 



「そうだった……」俺は呟いた。




 静かな部屋の中、自分の嗚咽だけが聞こえる。





━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




 気がつくと、朝になっていた。



「おいっ! なんで起こさね━━━」




「あっ……」




 …………何度目だろう、あいつに話かけたのは。




「一人だと、こんなにも静かなのか……」




 窓の外を見た。気分と裏腹な晴天だった。





――――――――――――――――――――――




 何もする気がない……



「学校……行きたくねぇ……な」



 そう言えば、以前にもそんなことを口にしたことがあったな。



『ダメです! ちゃんと行きましょう!』

『休みグセがつきますよ。 私が許しません!』



 すげー、怒られたっけ……




「しょうがねぇ……行くか……」



 机の上にある、スマホを『チラッ』と見る。





  ━━━━━━ そして部屋を出た。





――――――――――――――――――――――



 

 支度をし、自転車に手をかけた。



「あ……」



 また、あいつのことを思いだした。

 昨日まで毎日、自転車に乗って会話していたっけ。

 


「歩くか……」



 遅刻確定だ。でも、自転車に乗る気分じゃない。




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 




 やっと着いた。すでに授業は始まっている。


 誰もいない下駄箱に向かった。


 人がいない廊下を歩く。



 …………今入るとめんどくせぇか……



 チャイムが鳴ってからでいいや……



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 



 教室に向かった。


 入った瞬間、注目を浴びた。


 藤井がびっくりしている。



「おい! どうした、その顔。血色悪いぞ」


「ああ……別に」



 適当に返す。


 扉が開いて、担任が入ってきた。


 目が合うと、そのままこっちに来る。



「一緒に校長室に来て!」



 腕を掴まれ、引っ張られながら教室を出た。


『なんだ? 怒られるようなことしたっけ?』


 いや、どうでもいいか。



「なんで遅刻したの?」「ご両親に連絡したのよ」 「あなたに電話しても繋がらないし」



 色々言ってる。


 うるさいな。



「……はぁ」



 小さく息を吐く。



「……すみません」



 口だけで答える。


 理由なんて、どうでもいい。



 口答えする気も起きない。



「やっぱ、休めばよかったな……」



 担任に聞こえない程度の声で呟いた……





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