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ベネチアの滅亡

 チェーザレボルジアとは、あの異国人は歴史に詳しいらしい、

だいぶ本を買い込んでいたよ、君主論を読んだのでは?


マキャベリが理想の君主として絶賛した人物は、法王の庶子に生まれた、法王の息子と言う本来存在しないはずの男だった


己の野心と時代の要請とが一致し昭和の国で言えば、織田信長と言う人物にあたる、まとまることもできないイタリア半島の統一を目指した若者はベネチアにとっては危険な人物だった、が

振り返ってみれば、統一は外国に対して有効なのだ


今その男の名が出た、都市国家は滅ぶということですか?

時代は、大国の時代になりつつある、船はあっても、載せる兵が足りない、人口がベネチアの弱点だった

商業で稼ぎ海軍で栄える、だが、陸地から大軍に迫られては勝ち目は無い


これでは、イタリアに侵入した大軍には勝てない

実際、フランス軍がイタリアに侵攻した時、争うばかりの都市国家は有効な手を打てなかった

運良くフランス軍が退去してくれたから、助かっただけだ


では、ベネチアが大国化するべきなのか


トルコからの使者は、ベネツィアへの休戦を告げると

中立化を望んだ、見返りは、東方貿易の安定


アフリカを進むトルコはスペインを目指している

これは望ましい事態でもあった、敵の目が、ベネチアからスペインへ向かったの。だから。


大国同士の牽制、これは危ういバランスだ

どこかの国が勢いに乗り、イタリアに侵入したなら、防ぐ術はない、その前にイタリア統一を目指すのか

統一国家の中で、ベネツィアは飲み込まれるのでは?


ベネチアがなくてもベネチアの存続は可能と言った

あの若者の、若々しさ

交易を通じて、人のつながりがあれば、国でない国が作れる、人の心の中に国があれば国たり得る精神の国


自分たちには無理だ、この都市を愛しすぎた

離れることも失うこともできない。


わかっていても、避けられない。外国に飲み込まれるか、統一国家に飲み込まれるか、いずれにせよ

避けられない末路だ、安定しているがゆえにベネツィアが統一に乗り出すのもまた不可能だ


国を作り替えることに賛成は得られない、市民の支持を失う

可能な事は、滅亡を先延ばしにすること

ベネツィア建国以来800年が経っていた

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