六話:ロマはどこに?
「んん……」
リスタはいつものように朝、目を覚ます。いつものようにカーテンを開け、いつものように顔を洗う。そうして、いつものようにメアを起こす。
「あれ?ロマ……?」
メアを起こし、次にロマを起こそうとしたが、ベットの中にその姿はなかった。落ちているのかと思い、ベットの下も探してみるが見当たらない。
「メア、ロマの居場所わかりますか?」
「ニャ~」
リスタがメアにそう聞くと、メアは窓際に立つ。そこの小窓を空いているのをリスタは見つけた。
「外に行っちゃったんですか?!は、早く探しましょう!」
そうしてリスタは服を着替え、軽く支度をしてメアとともに外に飛び出す。メアの嗅覚を使い、ロマを探していくのだが、ある一定の場所まで行くとメアが困惑し始める。
「メア?どうしました?」
「ニャ、ニャニャ~!」
身振り手振りで何かを伝えようとする姿に少し口角が上がりそうになるリスタだが、それを抑え、何とかメアの言いたいことを感じ取る。
「ニャウ」
「……恐らくですが、ここから痕跡がないということですか?」
「ニャ!!」
メアは”正解”と言わんばかりにリスタに堂々と鳴き声を返す。メアの言いたいことが分かったことはうれしいが、ロマの足取りがつかめなくなったことは全くうれしくない。
「どうしましょう……」
「ウニャ……」
そうしてリスタはメアを抱えて、端の方に寄り、そのまま少し思考を巡らせる。
「ん?でも、おかしくないですか?あそこ、よく開けた道の真ん中ですよ?」
そう言ってメアに目を向ける。それに関してはメアもよくわからないらしい。
「……例えば……例えばですよ?メア」
「ニャ?」
「例えば、この国で神様と言われるようなロマが、悪い人に捕まったとしたら……」
「ニャッ?!ニャー!」
「わっ!暴れないでください!いったん今は落ち着きましょう」
「ニャア……」
そうしてリスタはメアを抱えたまま歩き出す。少しでも可能性のありそうな場所から、まったく可能性の無さそうな場所まで、様々な場所をめぐる。
「いない……」
「ここにもいない……」
「ここにも」
「ここにも」
日が昇るにつれてついにリスタから焦りが見え始めると、道の何もないところで躓いてしまった。その反動でメアを落としてしまう。メアは猫なので特にけがなどはないが、それでもリスタはなぜか不安になってしまう。
「あぁ……ちょっと焦っていますね……大丈夫。ロマは必ず帰ってくるはず」
「まだ大丈夫」。リスタはそう自分に言い聞かせる。貫くような白い光を放つ槍は、いまだリスタの心の中で輝いている。そうしていると、リスタはいつの間にか昨日夕食を食べたあの酒屋に足を運んでいた。ちょうどおなかが空く時間帯なので、無意識に足がこの場所に向いていたようだった。
「……一旦ご飯にしましょうか」
そうしてリスタはメアを連れてその酒屋に入る。酒屋と」
リスタはいつものように朝、目を覚ます。いつものようにカーテンを開け、いつものように顔を洗う。そうして、いつものようにメアを起こす。
「あれ?ロマ……?」
メアを起こし、次にロマを起こそうとしたが、ベットの中にその姿はなかった。落ちているのかと思い、ベットの下も探してみるが見当たらない。
「メア、ロマの居場所わかりますか?」
「ニャ~」
リスタがメアにそう聞くと、メアは窓際に立つ。そこの小窓を空いているのをリスタは見つけた。
「外に行っちゃったんですか?!は、早く探しましょう!」
そうしてリスタは服を着替え、軽く支度をしてメアとともに外に飛び出す。メアの嗅覚を使い、ロマを探していくのだが、ある一定の場所まで行くとメアが困惑し始める。
「メア?どうしました?」
「ニャ、ニャニャ~!」
身振り手振りで何かを伝えようとする姿に少し口角が上がりそうになるリスタだが、それを抑え、何とかメアの言いたいことを感じ取る。
「ニャウ」
「……恐らくですが、ここから痕跡がないということですか?」
「ニャ!!」
メアは”正解”と言わんばかりにリスタに堂々と鳴き声を返す。メアの言いたいことが分かったことはうれしいが、ロマの足取りがつかめなくなったことは全くうれしくない。
「どうしましょう……」
「ウニャ……」
そうしてリスタはメアを抱えて、端の方に寄り、そのまま少し思考を巡らせる。
「ん?でも、おかしくないですか?あそこ、よく開けた道の真ん中ですよ?」
そう言ってメアに目を向ける。それに関してはメアもよくわからないらしい。
「……例えば……例えばですよ?メア」
「ニャ?」
「例えば、この国で神様と言われるようなロマが、悪い人に捕まったとしたら……」
「ニャッ?!ニャー!」
「わっ!暴れないでください!いったん今は落ち着きましょう」
「ニャア……」
そうしてリスタはメアを抱えたまま歩き出す。少しでも可能性のありそうな場所から、まったく可能性の無さそうな場所まで、様々な場所をめぐる。
「いない……」
「ここにもいない……」
「ここにも」
「ここにも」
日が昇るにつれてついにリスタから焦りが見え始めると、道の何もないところで躓いてしまった。その反動でメアを落としてしまう。メアは猫なので特にけがなどはないが、それでもリスタはなぜか不安になってしまう。
「あぁ……ちょっと焦っていますね……大丈夫。ロマは必ず帰ってくるはず」
「まだ大丈夫」。リスタはそう自分に言い聞かせる。貫くような白い光を放つ槍は、いまだリスタの心の中で輝いている。そうしていると、リスタはいつの間にか昨日夕食を食べたあの酒屋に足を運んでいた。ちょうどおなかが空く時間帯なので、無意識に足がこの場所に向いていたようだった。
「……一旦ご飯にしましょうか」
そうしてリスタはメアを連れてその酒場に入る。酒場と言えば夜に店を開けているようなイメージがリスタの中にはあるが、この酒場は昼でも開いているので、昼食を食べる場所としてももってこいだ。
「メア、大人しくしておいてくださいね」
「ニャウ」
それからリスタはカウンター席の一番端っこに座り、膝の上にメアを乗せる。そうしていつも通りお店の人が注文を取りに来る。今回は店主の奥さんだ。
「あら、あなた、夫が言ってる旅人さんね?ほんとにべっぴんさんね!その猫ちゃんは?」
「あ、えっと、私の家族です。ずっとここにいさせますので、迷惑じゃなければ……あ、もちろん迷惑なら出ていきますので」
「いやいや、いいのよ!チューラ対策のために猫をお店の中で飼ってる人もいるくらいなんだから。そう変わらないわ。それで、ご注文は?」
「ありがとうございます。それじゃあ……このデミグラスハンバーグください」
「以上でいいの?」
「はい。あ、あとはブドウジュースで」
「わかったわ。それじゃあ少し待っててね」
そうしてメアに干し肉を上げながら少し待っていると、ハンバーグとブドウジュースが運ばれてくる。
「ありがとうございます」
そうしてリスタは食べ始める。おいしい物を食べると、焦りがだんだんと納まっていく。
「ロマ、ブロッコリー食べます?」
付け合わせの味付けの無い茹でたブロッコリーをメアに差し出す。猫は肉食なので特に食べる必要もないのだが、干し肉だけではお腹が空くだろう。
(後で鶏肉もあげませんと……)
そうしてハンバーグを食べ終え、ブドウジュースを少し口に運ぶ。ゆっくりと味わっている間も、リスタはロマのことについて思考を巡らせる。
「そう言えば……」
ジェーンの研究に協力していたあの日々の中で、いくつかジェーンが立てた仮説がある。心器を持つ者と、それに対応する心獣の魔力がつながっているという関係上、心獣と心器を持つ者はお互いに居場所や感情をある程度感じ取ることができるのではないかという仮説だ。リスタはロマやメアの場所がわかったり、感情をある程度感じ取ったりしたということは今に至るまでなかったので、心器を持つ者は心獣の居場所や感情がわかるということはありえない。だが、心獣が心器を持つ者の居場所や感情がわかることはあるのではないだろうか。いつもこの実験をしようとしてもロマやメアはだんまりになるので、ジェーンは成果を得られることはなかったが、今思えば、リスタの心が揺れるときにいつもロマやメアがそばにいるような気がするのだ。
「ロマは私の居場所をわかっているのでしょうか?そうならば、向こうからやってきてくれてもいいのですが……やはり悪い人に……」
そうしてリスタはコップを口に近づけると、いつの間にかジュースが入っていたコップは空になっていることに気が付く。
「……もう少し探してみますか」
そうしてリスタはお金をカウンターに置き、酒場を去った。




