31 聖女の戦い方
今回は2話分くらいの長さです。
「お父上は息災か?」
「お陰様で。政の一切を兄に押しつけ、すっかり好々爺ですよ」
「それは羨ましい。殿下のような"行動力のある"お子もおられれば、なんの憂いもないのでしょうな」
"行動力のある"にやたらと力を入れた言い回しは、ここまできたガルさんへの当てこすりだろうか。
そんなことを思いながら、小さく息をつく。
先ほど逃げるために駆け込んだバルコニーのある部屋で、今こうして話し合いが行われようとしているのは不思議な感じがする。
中央のテーブルを挟んで、大きなソファに王とリュミリエルが、その向かいにガルさんが座っている。私はノクスと並んでガルさんの後ろへと立っていた。
王の背後にはこの国の宰相だという神経質そうな細身の男性──カイロスさんと、ルナさんのお父様であるシスレさんが並ぶ。いかにも武官というがっしりとしたいかつい髭の男性が、あの人形のように繊細な容姿をもつルナさんのお父様だというのは少し不思議な感じがする。
「気楽な場だ。そのふたりも座るといい。そなたたちもだ」
王がそう言って全員座るようにと促した。
ガルさんの言っていた展開になり、ぞくりと背が寒くなる。
「気は抜くなよ。まだ戦いは終わっちゃいないからな」
この話し合いの場がもたれる少し前のこと。
控えの間にいる時に、もう大丈夫だろうと安心していた私に、ガルさんが釘を刺した。
ガルさんは笑顔と軽やかな物言いに反して、警戒を隠すことはしなかった。明日の会談を提案されても今日中にと譲らなかったし、着替えのためにと言われても私が別室に行くことを許さず、結局ふたりに背を向けてもらい、同室で着替えたほどだ。
「戦いって……でも、ノクスは剣を持ってけないのに」
そう言ってノクスを見る。
王も同席する話し合いだ。帯剣は同じく王族であるガルさんしか許されていない。
彼は「呼べば来る。問題ない」と言って、自身の剣をひと撫でした。
「"本物の聖女"の居る話し合いの場にそう多くの人間を連れてくるとも思えないが、……座ることを勧められても、絶対に気を抜くな。出されたものも口にするなよ」
「命の危険があるって意味ですか?」
「手っ取り早いからな」
聖女や聖剣使いと認めてもいない相手を普通は王族の話し合いの場で、まるで対等な者のように座らせたりはしない。もしもそれをするならば企みがあると思え、ガルさんはそう言って、「ま、さすがに安直すぎる手だ。そういう可能性も忘れるなってことさ」と肩を竦めた。
「他所の国の王子様を殺しちゃうなんてこと、ありますか?」
「ふーん、ミアの国は本当に平和な国なんだな。ここでオレが死んだって、事故だったで済む話だぜ?」
「そんな」
自分だけでなく、ふたりの命まで危険に晒しているということを改めて痛感する。これで帰れるだろうと安心していた自分が恥ずかしい。
お前のことは必ず守る、とノクスが私の頭をひと撫でして笑う。
「三人で無事に帰れなくちゃ意味がないんだよ?」
「はは、少し脅かしすぎたか。オレとしては、仕掛けてきてくれた方が好都合だ」
「え……?」
「悪いようにはしない。な? ノクス」
当然だという表情で頷くノクスは、「いい加減やられっぱなしも気にくわない」とぼそりと言って剣を置いた。
そんなやりとりをしたあとで、座れと勧められるのは恐怖しかない。
何かされるんだろうか。
緊張していると、ガルさんが「では、お言葉に甘えて。こちらに、ミア」と自身の隣を示してくれた。ノクスも座れと促すように腰をおす。
失礼します、とガルさんの隣に腰をおろすと、ノクスも隣に座る。
すぐにお茶まで運ばれてきた。このお茶に毒が入っているかもしれない。そう思うとついつい見入りそうになるけれど、顔に出すなと言われていたことを思い出し、視線を引き剥がす。
「ところで、殿下は他国の訪問方法を、前王には教わらなかったのですか?」
リュミリエルが口を開く。
確かに普通に考えて、招かれてもいない他国の城に乗り込み、剣を振り回して兵を倒すなど外交問題でしかない。
「もちろんたたき込まれましたよ。敬意を払うべき相手への接し方も含めて、ね」
敬意を払うべき対象ではないと宣言したも同然で、場の空気が凍り付く。
その姿に肩をふるわせたのはシスレさんだった。
「フェルディリアの第三王子がこれほど豪胆な方とは……ふっ、ふふっ」
大きな体で笑いを堪える。この場においてガルさんの様子を面白がれるというのも、おそらく豪胆と呼べるんだろう。
「貴国への訪問について公式な手順を踏むなら、事の次第を我が王以外の重鎮たちにもつまびらかにする必要があったものですから、……いらぬ気遣いでしたか?」
「ほぉ、気遣い、か。して、その事の次第とは?」
ゆったりとカップを口に運んだ王に、「瘴気が各地で再び問題になりつつありますね」と問いかける。
「前回の魔王討伐から一年にも満たない。前代未聞のことでは?」
「それだけ此度の魔王が強大だったのです。ほんの残り火でしょう。事が本格化する前に、我が国が常の通り責任を持って対処するのでご安心ください」
正面に座るリュミリエルがそう言って請け負う。
聖女も聖剣使いもなしに、どう対処するんだろうか。
素朴な疑問を視線にのせると、ただ柔和な笑みが返される。この笑みの下に隠されたものを知るだけに、ぞくりとしてそっと指先を握りこんだ。
「なるほど、それほど強大だったのですね。ああ、それで王城の敷地内に魔法塔を移されたのですか」
「それはどういう意味でしょうか?」
リュミリエルが笑みを絶やさないままに尋ねると、ガルさんも朗らかに答えた。
「そのままの意味ですよ。魔法塔には独立権がある。これは各国共通の認識です。それを王城の敷地内に置くなど、支配していると誤解を招きかねないのでは?」
「無礼にもほどがありますぞ」と声をあげた宰相を、リュミエルが軽く手をあげて制する。ぐぬぬと聞こえてきそうなほど不本意を顔に貼り付けながらも、宰相が口を閉じた。
「庇護するためですよ。お恥ずかしい話ですが、以前我が国の魔法塔では人の道をはずれるような魔法師が出たことがあり、以来、若き魔法師の教育に王家も力を貸すこととなったのです」
「庇護、ですか。では魔法塔が過ちを犯すようなことでもあれば、王家の指導責任を問われるわけですね?」
「当然だ。貴重な魔法力をふるうものたちを導き、保護するのは王家の役目だ」
当たり前のことを聞くなと言わんばかりの王に、ガルさんは「なるほど」と呟き、懐から筒を取り出してテーブルに置いた。執務室でも見せてくれた筒だ。
王もリュミリエルも、ヤフェエールの誰もが、それはいったいなんだという顔をしている。
「この国の魔法師が作ったものです。各地の瘴気騒動の元凶……瘴気を武器化したものです。もっとも、それは既に瘴気を抜いてありますが」
「……瘴気を? まさか。そのようなことできるはずがありません」
リュミリエルが有り得ないと首を振る。
彼に同意するのはとても不本意だけれど、私も心から同意する。あの瘴気を、掴まえてどこかに入れておくだなんてできるはずがない。
「ええ。私もこの目で見るまでは信じがたいことでしたが……貴国の魔法師は本当に優秀でいらっしゃる」
「馬鹿な……」と言いながら筒に手を伸ばしたリュミリエルは、けれど触れずに手を引っ込めた。確かに瘴気が入っていたとわかっていて、それに触れたいはずもない。
「他国が知ったら、さぞ驚愕するでしょうね」
「知らぬっ」
王が大きな声で否定する。その声の大きさこそが、そのまま動揺の大きさを物語っていた。
「先ほど仰ったではないですか、庇護下にあると」
「瘴気を武器になど、言いがかりも甚だしいわっ」
「証拠や証人の確保もなく、このような話をするとお思いですか?」
「ならば、貴国が我が国の聖女や聖剣を掠め取ったことはいかんとするか!」
「王!」
シスレさんの抑えた一喝が響く。
細かい政治の駆け引きがわからない私でも、今の発言がどれほど馬鹿な話かはわかる。
「掠め取った? 面白いことをおっしゃいますね。王太子が聖剣使い、その妃となられる方が聖女、ヤフェエール国の安泰は他国の羨望の的ではないですか」
王は自分の失言に気付いたように、歯がみする。苛々と膝で手を組み、せわしなく指先を動かした。
「聖女は言い過ぎたな──その女だ。それは王太子の皇妃となるもの。お返し願おうか」
「それ、ですか」
ガルさんの声音がほんの一瞬硬くなる。
「ええ、彼女は私にとって大切な女性です。手違いにより城を出されておりましたが、ようやく再会できたのです」
「手違い?」
「ええ、手違いだったのです。ミアには既にお伝えしてありましたよね。昨夜、ふたりきりで過ごした時に」
リュミリエルの視線が一瞬ノクスに向く。
昨夜一緒に過ごした、なんて誤解を招く言い方をわざわざここで口にする意図を感じる。
誤解しないでほしい、と願いながらノクスを窺えば、琥珀の眼差しはひたとリュミリエルに向けられている。その横顔からは彼がどう思ったのかまでは読み取れない。そのもどかしさも、苛立ちとなってリュミリエルと向かった。
話し合いの場だ。声を荒げてはいけないと必死で言い聞かせ、指先を握り込みながら口を開いた。
「仮に、手違いだったとして」
怒りのあまり声まで震えてしまう。
それをどう受け取ったのか、リュミリエルはひどく優しげな声で「ええ」と頷いた。
「いきなり拉致されて、こんなところまで連れてこられるいわれはありません」
「拉致? 誤解を招く言葉を使うものではありませんよ、ミア。昨夜、もう少しゆっくりとお話しをすべきでしたね。再会できた喜びに、つい我を忘れてしまいました」
彼の言葉は、私ではなく聞いている他の人たちに向いている。
昨夜何かがあったように思わせて、私がまるで駄々をこねているように見せたいんだろう。
「誤解ではないです。同意もなく連れ去るなんて拉致でしかない。初めてここに呼ばれた時もそうでしたね。そのうえ一方的に役目を押しつけて、思わせぶりな態度も全部"願い"の力を騙して横取りするために……」
向かいに座るリュミリエルが素早く立ち上がって剣に手を掛ける。
咄嗟に身構えて体に力が入る。でも、大丈夫だと信じられた。私は今、世界で一番安全な場所にいるんだから。
視界の端で蒼い光が走る。リュミリエルが剣を抜くよりも早く、ノクスは鞘から抜かないままの剣を、白い喉元に突きつけた。
「この国では皇妃にしたい女相手に剣を抜くのか?」
「ほんの躾の一貫ですよ。夫となるものの勤めです。それよりも、君がこの場に剣を持ち込むことは許してはいない。このまま牢に入れられてもおかしくない立場だと理解したほうがいい」
「ふん、こいつが勝手に来るんだ。俺が持ち込んだわけじゃない」
「詭弁ですね」
「ちょうどいい。"掠め取った"と言ったな。ならばこれを抜いてみろ」
ノクスがそう言って剣を差し出す。
蒼い光と共に、持ち主が必要とする時に顕れる剣。そんな剣がただの武器であるはずがない。
聖剣使いを名乗るなら、この剣が抜けるはずだろう、ノクスは暗にそう言っているのだ。
「……茶番に付き合ういわれはない」
リュミリエルはそう言ったけれど、受けて立たない時点で、彼にこの剣が抜けないことは誰の目にも明らかだった。
「私が抜いてみてもよろしいか?」
シスレさんが触れてみたくてたまらないと目を輝かせて尋ねる。
ガルさんが頷くのを確認してから、剣が渡される。
「くっ、これは……」
剣に触れた瞬間から目を白黒させたシスレさんは、皆の注目が集まる中、しばし剣を抜こうと格闘した。しまいには、これは本当に抜けるものなのか? と不思議そうに目をまたたかせて剣をノクスに差し出した。
「さ、最初から抜けぬものであろう」
目を泳がせる王の前で、ノクスがあっさりと剣を抜いてみせる。
顕れた刀身はノクスの怒りを映すように、蒼い輝きを放っていた。
「おぉ……これはこれは」
シスレさんだけが感嘆の声をあげると、「王よ、後ほどいろいろお話しを承る必要がありそうですな」と冷えた眼差しで囁いた。
リュミニエルが聖剣使いではないということを、シスレさんも知らなかったのかもしれない。
「この剣が正真正銘彼のものであることはご理解いただけたかと思いますが……彼女につきましても"なにかの間違い"でここまで連れてこられたようです。このあと我が国へ連れて帰ります」
「これは異なことを。この女はヤフェエールの民。王家の許しなく、国境は越えられぬ」
王がそう言うと、宰相が恭しく一枚の書類を取り出した。
ガルが視線を走らせて、私に渡してきた。
書類の日付が昨年のものだということはわかる。ただ、所々読めない文字が多すぎた。
話の流れ的に、私がヤフェエールの民だと証明する書類なのだろうけれど、この場で文字が読めないことがばれるのはあまりよくない気がする。そう考えて困っていると、自然な仕草で渡せとでもいうように伸びてきた手にそれを託す。
ノクスは丹念に書類に視線を走らせる。二枚綴りの書類をめくると鼻で笑って私に書類を渡してきた。
二枚目の最後、署名欄を見て、ノクスの様子に合点がいく。
勝ったような顔でいるリュミリエルに、笑みを向ける。怪訝そうに眉を寄せた彼に、私ははっきりと伝えた。
「こんな書類にサインをした覚えないです」
「ミア、このような場でそんな子どもじみたことを言うのは感心しませんね」
諭すようなリュミエルの口振りに、「"ミア"ではなく"ミワ"です。"ミ""ワ"」と出会った当初に何度か言った言葉を再び口にする。
最初の頃はこうして"ミア"と呼ぶ彼に何度か訂正を試みた。
やがて、呼びにくいのだろうと遠慮した。諦めた。それでいいと受け入れた。
でも、もう私はこの人を相手に引かない。何ひとつ譲らない。
「あんたは、ついぞこいつの名前にすら興味がなかったんだな」
リュミエルはこちらを鋭く睨んできたものの、それ以上何かを言ってくることはなかった。
「ちょうど私も書類を持っているのでお見せしましょう。ああ、控えの書面は我が国の魔法塔で保管してありますから、仮にこれが破れてしまったとしても問題はありませんよ」
今度はガルさんが書類を取り出す。私が執務室でサインしたものだから間違いない。
「彼女の母国語で書かれたものです。もちろん公用言語でもサインはもらっています。署名の名前に間違いがあれば、そのサインは無効。各国共通の決まりでしたね」
「このような文字は見たこともないわ! 本物だと誰が証明できる!」
まだやるのかよ、とうんざりとした顔のガルさんが溜め息を落とす。
「証明、ですか。ここに本人がいるのに?」
彼はちらりとこちらを見てから、ゆったりとした仕草でカップを手にして口に含む。
私に飲むなと言ったものを、まさかガルさんが飲んでしまうとは思わなかった。
驚愕に目を見開いて口元を凝視すると、私に目配せしてくる。
ガルさんの堪えるようなうめき声に、すかさず「失礼いたします」と彼の胸元に手を翳す。
掌に蒼い光が顕れて、シュワシュワと炭酸の感覚がする。傷や毒がなければこうはならない。
薬湯を白湯に変えてしまった以降、いろんなモノで試してみた。
単に塩を入れすぎたスープでは何も起きない。ともすれば毒にもなりうる薬草には反応する。そういうことも幾度も確認した。
腰が痛いというリゼさんにマッサージするふりで試してみたり、包丁で指を切ったノクスでも実践した。
だから、きっとできる。癒やす。だって、できなければガルさんの命に関わる。
炭酸の感覚がなくなって、光が消えるのを見届けてからおそるおそるガルさんを見ると、「さすがだな」と口の端を引き上げた。
よかった。ホッとして、自身のカップにも手を翳してみる。しゅわしゅわと反応がある。
その様子を、ヤフェエールの全員が息を呑んで見つめていた。
最後に、行儀が悪いのを承知で、カップの中身をごくごくと飲み干した。
「おいしいお茶ですね」とにっこりと微笑むと、王からもリュミリエルからも完全に表情が消えた。
「ああ、最初に紹介すべきでしたね。彼らは我が国の聖女と聖剣使いです」
「ば、馬鹿を申すなっ、聖女はヤフェエールの神だけが招くことができるものだ! やはりこの女はヤフェエールのものっ」
ふと、ガルさんとノクスの空気が張り詰めたのを感じた。
「ヤフェエールの神? "アストリア"のことか?」
ノクスの言葉に、王とリュミリエルが、息を呑んで目を見開く。
「あまり欲をかくと"フィリウス"の怒りにふれるのでは?」
ガルさんもさらりと告げる。
"アストリア"と"フィリウス"。どちらも聞いたことがない。
それでも、王とリュミリエルのふたりは顔を引きつらせ、その様子を宰相たちが怪訝そうに窺っていた。
「なぜ……その名を」
「なんの証拠も証人もなしに、ここまで乗り込んでは来ないと最初に申し上げました。お忘れですか?」
今度こそ王は口を引き結んだ。
「私たちが国に戻らなければ、かの神の話は証拠と共に公になります」
「お、脅すつもりか」
「毒まで盛っておいて、随分と人聞きが悪いですね。別に他の国々に呼びかけて、これまでの貴国のなさりようを糾弾しようというつもりはありません。ただ、今後貴国の言う聖女のために、フェルディリアは一切の援助をする義務はないことは覚えておいていただこう」
「世界存続にかかわることですぞ」
「今まさに、貴国の存続の危機である、という点はおわかりか?」
しんと静まりかえったそのなかで、ガルさんがなおも続けた。
「ご存じかとは思いますが、かの神の娘は、呼び寄せた聖女と聖剣使いを害した王家には、二度とその恩恵をもたらさない」
「……なんの話だ」
ガルさんがゆったりと足を組んで、身を乗り出すようにその足の上で頬杖をつく。じっと王を見つめると、口の端を引き上げた。
「秘されているのは神の娘の部屋だけではない、ということですよ」
王も王太子も、口を開かない。ガルさんはふたりの様子など意に介さないように続けた。
「先代の"聖女の願い"もさぞや有用に活用されたんでしょうね」
「なぜ、そのようなことまで……」
王の掠れた声に、ガルさんは何も答えず、ただにっこりと微笑んだ。
「聖女については我が国の先をいく貴国には、ぜひとも今後も諸々ご教示いただきたい」
「む、無論だ。いつでも力になるぞ」
顔を引きつらせた王が頷くと、「それはありがたい」と殊勝な表情を作ったガルさんは、ゆるりと息を吐く。
「さて」
スッと目を細めた彼は、硬い声音で切り出した。
「それでは取り決め内容を詰めましょうか」
次回エピローグです!




