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魔王様、初めての予算会議で泣く

第5話です。予算会議は強敵です。

 第一回魔王城予算会議は、開会五分でリゼリアが泣いた。


「全部必要なのだ」


 机には各部署の要求書が積まれている。黒魔術課は儀式用宝石を、罠管理課は新型回転刃を、広報課は魔王様威厳向上ポスターを求めていた。


「全部は無理です」


「魔王なのにか」


「魔王でもです」


 僕は要求を三つに分けた。生き残るための支出、稼ぐための支出、気分がよくなるだけの支出。


 リゼリアは三つ目の山を見て震える。


「威厳向上ポスターは」


「気分です」


「玉座の黒羽装飾は」


「気分です」


「我の新マントは」


 僕は少し迷った。


「広報効果があるなら、稼ぐ支出にできます」


 リゼリアの涙が止まった。


 そこで、魔王城見学ツアー用に一着だけ新調することにした。威厳は削るのではなく、収益化する。


 会議の最後、リゼリアは赤くなった目で言った。


「予算とは、夢を殺すものだと思っていた」


「違います。続けたい夢から順に守るものです」


 彼女は小さく頷き、新マントの見積書を自分で半額に直した。

次回は辺境村の橋を直し、市場を作ります。

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