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勇者パーティ、補給契約を読み飛ばして詰む
第4話です。契約書を読まない勇者側の話です。
勇者アレスから、なぜか僕宛てに伝書鳩が届いた。
『補給馬車が来ない。何をした』
僕は何もしていない。ただ、出発前に渡した補給契約書の三頁目に、雨天時の迂回費用について書いてあっただけだ。
リゼリアが手紙をのぞき込む。
「助けるのか」
「助けません。もう責任者ではありませんから」
僕は経費管理責任者の変更届を机に置いた。アレス自身の署名入りだ。これがある限り、未払い請求は彼に向かう。
一方、魔王城では南門の商人と新しい補給契約を結んでいた。支払いは遅らせず、荷下ろしは黒狼部隊が手伝う。たったそれだけで、商人は人間側より安く品を卸してくれた。
「なぜ安くなる」
リゼリアが不思議そうに聞く。
「安心して取引できる相手には、保険料が乗らないんです」
夕方、アレスから二通目が来た。
『戻ってこい。会計係としてなら置いてやる』
僕は返事を書いた。
『現在、魔王城財務長官見習いとして試用期間中です。条件改善案を添付してください』
返事は来なかった。
代わりに、勇者パーティの未払い請求書が三通、王都へ向かった。
次回は魔王様が初めて予算会議で泣きます。




