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王国監査院、魔王城へ監査に来る
第13話です。王都側の不正と魔王領再建がつながり始めます。
その日の午後、門前に三人の使者が立った。
王国監査院の制服。
僕の古巣だ。
先頭の男が名乗る。
「監査官補佐、グレン。王都より来た」
僕は門の上から答える。
「財務長官ルカです。ご用件は」
「……監査だ」
グレンは紙を掲げた。そこには王印。
『魔王城財務状況、臨時監査』
リゼリアが僕の袖を引く。
「人間は、我らの金を調べに来たのか」
「たぶん、僕を回収しに来たんです」
そう言いかけて、僕は止まった。
違う。
王都は、もう勇者だけでは制御できない。
武具ギルドの金が動き、監査院が動く。なら、ここで“監査”を受けることは、逆に武具ギルドへ刃を向ける機会になる。
僕は門を開けた。
「どうぞ。帳簿はすべて揃っています」
監査官補佐は、初めて驚いた顔をした。
魔王城が、帳簿を隠さない。
それはこの世界で、一番恐ろしいことだった。
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