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赤字戦争を終わらせる決算書
第11話です。王都側の不正と魔王領再建がつながり始めます。
停戦は、善意では成立しない。
成立するのは、損得でだ。
僕は決算書を二部作った。人間側と魔王側。どちらも“戦争継続”が赤字で、“交易”が黒字になる形に整える。
「魔王様。こちらを」
リゼリアは紙を読み、唇を噛んだ。
「……戦えば負ける。勝っても赤字。では、戦う意味がない」
「意味を奪いましょう。武具ギルドに」
翌朝、僕は勇者へ書状を送った。
『研磨費の差額は武具ギルドへ流れています。停戦すれば彼らは儲かりません。停戦を邪魔するのは“敵”ではなく“利権”です』
勇者は英雄だ。英雄は“敵”がいれば剣を抜く。
だから僕は、敵を“見える形”にした。
帳簿は剣にならない。
だが剣が向く“相手”を変えることはできる。
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