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【完結】異世界転生したんだが神から貰った最強スキル【神チート】がクソ仕様  作者: Darjack
第4章

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第56話 異端の冒険者

魔王の声は穏やかだ。まるで師匠が弟子に稽古をつけているかのような口調。


リョージは歯を食いしばって立ち上がる。

このままじゃ……一方的にやられるだけだ……!

______________________

【スキル発動】

神チート〈ver.3.2.1νἀⅲ〉:緊急事態観測


左腕装甲破損。修復不可


※アルマトゥーラを解除し修復モードに移行してください

_______________________

くそ……一撃でこれかよ……!


「いくぞ、リョージ!」

魔王が再び踏み込んでくる。今度は正面から。

リョージは横に跳んで回避——したつもりだった。

「甘い」

魔王の軌道が瞬時に変わる。リョージの回避先を読んでいた。


「ぐあっ!」

脇腹に拳が突き刺さる。装甲が悲鳴を上げた。

体が「く」の字に折れ曲がり、再び吹き飛ばされる。

地面に倒れ込み、苦痛で呼吸が乱れる。

______________________

【スキル発動】

神チート〈ver.3.2.1νἀⅲ〉:警告


右側面装甲破損。修復不可

HP:8,591/17,800

MP:10,725/17,800

※アルマトゥーラを解除し修復モードに移行してください

_______________________

速さも、力も、技術も……全部上だ……!


「起きろ、リョージ。まだ立てるだろう?」

魔王の声が響く。挑発ではなく。純粋な問いかけだ。

——クソ脳筋が。


リョージは震える体に喝を入れ起こす。小刻みに視界が揺れ、投影映像にノイズが走る。

(……ここで倒れたら……ルーシーが……!)

ルーシーの顔が脳裏に浮かぶ。

(俺が……守るって……言ったんだ……!)

リョージは立ち上がった。ふらつく足に気力を込める。


「そうだ、いいぞ」

魔王が微笑んだ。楽しんでやがる。

撃ち負ける


「だが、立つだけでは勝てんぞ」

再び魔王が踏み込む。


守ったら撃ち負ける。


「うおおおおおおおおおおお!」

今度はリョージもカウンター気味に反撃に出た。


右拳を繰り出す。魔王は軽く体を逸らして避ける。

リョージは続けて左のフックを放つ——が、まだ左腕は痺れている。動きが鈍い。

魔王は右手で軽く受け流し、同時に左拳をリョージの顔面に叩き込んだ。


「がっ……!」


頭が揺れる。視界が一瞬真っ白になった。

そのまま膝が折れ、地面に片膝をついた。

______________________

【スキル発動】

神チート〈ver.3.2.1νἀⅲ〉:警告


頭部装甲損傷。修復不可

HP:5,736/17,800

MP:9,265/17,800

※アルマトゥーラを解除し修復モードに移行してください

_______________________

くそ……攻撃が……当たらない……!


魔王はリョージの前に立ち、腕を組んだ。

「お前は強い。ボルガやジョーエンを倒しただけのことはある」

魔王の声は静かだった。

「だが、私とお前の間には決定的な差がある。それは——経験だ」

魔王が右手を掲げる。純白の手甲に膨大な魔力が集まっていく。


「私は数百年を生き、無数の戦いを駆け抜けてきた。お前がどれだけ才能があろうと、一朝一夕にこの差は埋まらん」

リョージは歯を食いしばる。

わかってる……わかってるよ……!でも……負けられねぇ。


「——」

魔王の表情が少し和らいだ。

「まだ諦めていないな。その頭の悪さ、嫌いではない」


脳筋バンザイ! 魔王が手を下ろす。莫大な魔力が霧散した。

「もう一度チャンスをやろうか。お前の全力を見せてみろ、リョージ」

リョージは荒い息を無理やりに整えながら立ち上がった。膝が震えている。


……そうだ……まだ……!

ノクス・アルマトゥーラに残された魔力を全て右拳に集中させろ。

______________________

【スキル発動】

神チート〈ver.3.2.1νἀⅲ〉:警告


HP:5,736/17,800

MP:9,173/17,800


全魔力を右腕に集約。装甲維持限界を超過します


※アルマトゥーラを解除し修復モードに移行してください

_______________________

構うか……! これで終わりだ、全部出し切る……!


リョージの右腕が漆黒の光を放ち始める。装甲が軋み、ひび割れていく。

「ほう……自壊覚悟か。良い目だ」


魔王も再び右拳に魔力を集め始める。

純白の輝きが膨れ上がる。


二人は同時に踏み込んだ。

「うおおおおおおおおおおお!」

「来い、リョージ!」


拳と拳がぶつかり合う——

ドゴォォォォォン!


衝撃波が周囲に広がり、地面が砕け、土煙が舞い上がる。


そして——

バキィ!


ノクス・アルマトゥーラの右腕装甲が砕け散った。

「——っ!」

余波を受けリョージの体は後方に吹き飛んだ。

地面を何度も跳ねて転がり、ようやく止まった。


全身の力が抜けていく。

もう立ち上がれない。

______________________

【スキル発動】

神チート〈ver.3.2.1νἀⅲ〉:警告


HP:28/17,800

MP:52/17,800


全装甲機能停止。維持不可能

_______________________

ノクス・アルマトゥーラ全体に細かい亀裂が走っていく。


魔王がゆっくりと近づいてくる。

その右手に巨大な魔力が集まりつつあった。


「残念だったな。さらばだ異端の冒険者リョージ。つかの間の邂逅であったが本当に楽しかった……」

魔王が右手を振り上げる。


ルーシー……レナ、サラ、ザーラ、エレナ、リリア、アグレシア、みんなごめん……。


リョージは目を閉じた。

起き上がれなくなったリョージの全身から、砕け、さらさらと細かい砂となった夜鎧殻ノクス・アルマトゥーラが崩れ落ちていく。


魔王が振り上げた右手の先に巨大な光弾が生まれ。

無慈悲に振り下ろされた。


ギュゥン!


一瞬。


黒い渦が現れた。


黒い渦に魔王の発した光弾が吸い込まれていく。


リョージを守るように魔王の前にたちはだかった黒い影は。


魔王四天王【呪】のシャンドゥ。


突然の意外な出来事に魔王が怪訝な表情を浮かべるよりも前に、スッと空間に溶け込むようにシャンドゥとリョージの体が消えていった。


「……ゼノヴィア」


虚空を見つめ、魔王はぽつりとつぶやいた。

安心の完結保証付きです。


毎日20:00更新予定。


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