第48話 黄金どくろジジィと赤青半々娘
「なんじゃと? 人の獲物を横から攫っておいて何たる言い草!」
「うらぁっ! 《炎槍》!」
「どわっ! 《アイス・シールド》×5!」
炎の剣が突如伸び、棒状の炎が横なぎに襲ってきた。
「おわっ! わっ吾輩まで巻き込む気かぁ!」
炎の先端がライオネルトの黒霧のようなローブの裾をかすめていった。
回避は間に合わない。
リョージは氷の盾を五枚並べて迎え撃ち、炎の攻撃を受け止めた。
巻き込まれた二体のゾンビが上下真っ二つ。
が、アグレシアはどこ吹く風。
「やるなぁ! 人間族の男! 久々に滾るぜ!」
にやりと牙を剥きながらアグレシアは笑う。
「吾輩を無視するなぁあああ!」
《カオティック・ランス》×10!
ライオネルト周辺の空間に発生した闇の渦。
尖った禍闇色の槍が一斉に発射された。
「《炎槍》!」
長い炎の槍を振りながら地を蹴ったアグレシアが突撃してくる。
十字砲火かよっ!
二人が打ち合わせているとは到底思えないので偶然か? たまらん。
神チート! 《カオティック・ランス》の迎撃は任せた! (無責任)
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【スキル発動】
神チート〈ver.3.1.2νἀ〉:自由裁量許可確認
ヤッテヤルゼ!
《アイス・ウォール》×3緊急展開
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……なんか性格変わったか?
ノクス・アルマトゥーラをプラグ・インしてから少し変なんだよなー。
魔法剣起動。
薙ぎ払われる炎の槍を迎え撃つ!
そそりたつ三枚の氷の壁が闇の槍を阻む。
相殺し砕け散る様を横目に見ながら——。
《氷! 散! 弾!》
アグレシアの左腕から無数の氷の粒がほとばしる。
搦め手くるねぇ!
俺ァ、ワクワクすっぞ!
《フォース・シールド【硬】》!
氷属性じゃ受けきれない。
対物理シールドに更にマシマシ魔力を注ぎ込む。
超高強度盾を無理やり創り出す。
射出角度から氷弾を弾きそらす角度を判断。
「グケェエッツ!!」
カエルを踏み潰したような悲鳴。
反らした氷散弾の一部が黄金骸骨おじいちゃんを直撃したらしい。
「き、貴様らぁァ! とことん吾輩をなめ腐りおってぇェ!!」
わざとじゃないんだけどな、わざとじゃ。
「知らん! 乱戦の脇でウロチョロすんな! うち帰って寝てろジジィ!」
アグレシアも口さがない。
「もう容赦せんからなぁァ! 出でよ!」
禍々しい詠唱!
空中に黒い光で紡がれた巨大な魔方陣が出現した。
「こいつは敵味方関係なく暴れまくるからのぅ! 潰されても恨むでないぞ小娘!」
くっせぇつば飛ばしながら、ジジィがガナリ立てる。
「さっさと親元へ帰り母の乳でもしゃぶっておるがよいわ!」
空中の闇の召喚陣から巨大な黄褐色の骨足が現れ地面へと降りる。
すぐに、その全貌が姿を現した。
頭蓋骨には大きく窪んだ暗黒の眼窩が一つ。
体長はおよそ15メートル。
一つ目の巨人族。
サイクロプスの骨のアンデッドだ!
巨大な骨格標本にはこれまた骨製の打撃武器。
巨大生物の大腿骨を振り上げた。
ドォオオオォン!
地面にたたきつけられる骨のこん棒。
土や石を飛ばし榴散弾として撒き散らす。
「ぐぅっ!」
吹き飛んだ切り株がアグレシアの頭にあたった!
青赤娘はその場に倒れ込んだ。
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【スキル発動】
神チート〈ver.3.1.2νἀ〉:緊急事態観測
非推奨機能ノクス・アルマトゥーラの起動を推奨します。
※神チートの回答は必ずしも正しいとは限りません。
重要な情報は確認するようにしてください。
cookie の設定を参照してください。
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推奨なのか非推奨なのかはっきりせいや!
「νόξ・ ἀρματούρα ἀκτιβάτιο!(ノクス・アルマトゥーラ 起動!)」
黒く鈍く光る、夜鎧殻ノクス・アルマトゥーラがリョージの全身を包み込む。
夜光を纏ったリョージは、倒れているアグレシアを抱き上げ跳躍した。
ズドォオオオン!
アグレシアの居た場所へ一つ目巨人のこん棒が振り下ろされた。
あっぶねぇえ!
ってか。
何?
この跳躍力。
跳んだ時かなり体勢崩れてたんだが?
サイクロプス・スケルトンよりも高く飛んでおります。
あ、まさか。
ルミナス・ハートの魔族への強制バイアスが、ノクス・アルマトゥーラにも『源流の力』を与えている?
ブォン!
ちまちまと考えている暇はなかった。
飛ぶハエを叩き落すかのようにこん棒を振り被るサイクロプス・スケルトン。
ヤバす。
《スカイ・ウイング》!
あはン。
飛んでしまえばどうということはない。
空振るこん棒の上をさらに飛び上がり回避。
しかし、両腕でアグレシアを抱えていてはこれ以上どうにも。
《ホーリー・ランス》!
地上ではルーシーがゾンビ、グール、ゴーストの団体様を相手に大立ち回りを演じていた。
アグレシアとライオネルトにかまけている間に雑魚敵を一手に引き受けてくれていたらしい。
すまねぇ~すまねぇ~。
「何をしておる! サイクロプス・スケルトン! 先に小娘の方を潰してしまえ!」
サイクロプス・スケルトンは、思い出したかのようにルーシーの方へ向き直った。
うおおおお!
くそったれぇ!
間に合え!
急降下しながらアグレシアを片手抱きに替えた。
サイクロプス・スケルトンの脇をかすめるようにルーシーの身体をかっさらう。
「リョージ!」
《カオティック・ランス》×10——××10!
シーンの使いまわしで撃たれた10本×10連射の闇の槍。
きりもみ板野サーカスで躱す。
避け切れない分は神チート頼りの魔法シールドで相殺。
さすがに二人抱えての飛行では重すぎて自由が利かない。
このままじゃジリ貧にしかならない。
ここは一発!
雑にイクZe——。
一点集中ゥ!
地獄の呼吸!
《インフェルノ・ノヴァ=ディエス・イレ(灼熱の夜)》!
ノクス・アルマトゥーラから赤く黒く輝く巨大魔法陣が顕現した。
闇色の炎の嵐が巨人の骨を中心に爆裂連鎖して膨れ上がり広がっていく。
暗黒色の灼熱が半径数百メートルにわたる周囲を蹂躙した。
「ば! ばかナ! 燃えるぅうぅ~燃え尽きるぅゥ~ 吾輩ほどの者が——なぜ?——なぁ——ぜぇぇe~」
黄金髑髏ジジィの断末魔の声が途切れるのと、真っ黒に炭化したサイクロプス・スケルトンの全身が溶けるように崩れていくのはほぼ同時だった。
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【スキル発動】
神チート〈ver.3.1.ἀ-ν/〉:※※※ 警告 νόξ・ἀρματούρα干渉検出 ※※※
結果:死霊群(複数)/リッチ《ライオネルト》(Lv.360)/サイクロプス・スケルトン(Lv.180) 撃破
経験値:398,500獲得
レベルアップ:Lv.142 → Lv.158
HP:14,200/14,200 → 15,800/15,800
MP:14,200/14,200 → 15,800/15,800
〇スキル習得
《闇魂滅》:死霊・アンデッド・リッチに対し与ダメージ+300% 加えて魂の再生・復活を永続封印
〇称号取得
【死霊殺し(アンデッド・スレイヤー)】:アンデッド種への属性貫通効果を追加
→【魔族特効】へ統合→【魔族無双】:魔族全体に対して無双効果
【未解析項目】
ノクス・アルマトゥーラとの干渉により
一部スキルの挙動に予期しない変動を観測中・原因は調査中です。
しばらくお待ちください……。
——5分後に強制再起動を実行します。
このコマンドはキャンセルを受け付けません。
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何かやばいこと起きてる?
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