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【完結】異世界転生したんだが神から貰った最強スキル【神チート】がクソ仕様  作者: Darjack
第3章

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40/63

第40話 臨界突破

 チート様の声が響いた。

____________________

【スキル発動】

 神チート〈ver.2.0.2x〉:敵の能力値異常上昇を検知

 ルミナス・ハート起動による魔族強化を確認

 強制介入プログラム《デウス・エクス・マキナ》——ユーザーの封印により発動不可


 ※※※ 緊急アップデート ※※※

 代替措置 《オーバードライブ》:魔力消費により身体能力を一時的に向上

 消費MP:100/秒


 実行します

 MP:10,700 / 10,700

《オーバードライブ》稼働開始

 稼働可能時間:107秒

____________________

 身体が軽くなった。

 これぐらいのズルは許してくれよイグナート。


 視界がクリアになり、グラドの動きが見える。

 動体視力まで上がった。

 魂のクロック周波数が跳ね上がった感じだ。


 次の竜爪撃を躱し、懐に踏み込む。


 アダマス・ヴァルトを横なぎに振るう。


 手応え!


 グラドの脇腹に深い傷が走った。


「ぐあっ!」


 グラドが後退する。

 だが、傷から流れる血が少ない。

 再生しているのか。


 どくり……どくり……どくり……


 ルミナス・ハートの脈動がさらに速くなる。

 赤い光が地下室全体を染め始めた。

 グラドの傷が逆再生動画のように、みるみる塞がっていく。


「ハハハハハ! 素晴らしい! ルミナス・ハートが我に力を与え続ける限り、貴様ごときに負ける私ではない! アシュレイ様! 我にもっと、もっと力をお与えください!」


 ぼごり――


 アシュレイから放たれる禍々しきオーラの放出に呼応して、グラドの身体がメキメキと音を立て一回り大きくなった。


 鱗がより硬質に変化し、筋肉が盛り上がる。

 爪や背中のヒレが鋭く長く伸びる。


(まずいな……このままじゃキリがない)


 リョージはアシュレイを睨んだ。

 アシュレイもルミナス・ハートに両手を当てたまま、オーラを噴き上げている。

 地脈の力を吸い上げ、それを魔力としてさらに注ぎ込んでいるのか。


「もっと……もっとだ! ルミナス・ハート! 我に力を与えたまえ!」


 アシュレイの声が響く。

 ルミナス・ハートの赤光が、さらに強烈になった。


「ふははははははははははっ!」


 大仰に笑うグラドの身体から、さらに強大なオーラが噴き出す。

 やばい、このままじゃジリ貧になる。


「う゛ぉ゛お゛お゛お゛お゛お゛!」


 グラドが咆哮を上げた。

 まるで本物のドラゴンだ!


 声だけで地下室の空気が震える。


 リョージに向かって無防備に特攻を仕掛けてきた!

 速度は、さっきの倍以上?!

 ま、間に合わない!

____________________

【スキル発動】

 神チート〈ver.2.0.2x〉:※※※ 緊急警告 ※※※

 敵対存在急接近

 種別:竜魔族

 危険:防御被膜突破クリティカル・ヒットの可能性大!

 推奨:絶対回避→A・↓↑←XYB

____________________

 防御被膜突破?!

 もしかして痛い?

 死ぬ?

 聞いてないよ!


 ギュン!

 ギュンギュギュン!


 チート様の警告で軌道を読む。

 紙一重で躱す。


 耳元を数条の豪風が駆け抜ける。


 グラドの巨体はリョージの横を通り過ぎ、壁に激突した。


 ドゴン!


 ダンプが激突したかのような地響きを上げ、石壁が砕け跳ぶ。

____________________

【スキル発動】

 神チート〈ver.2.0.2x〉:カウントダウン

 MP:10,700 → 8,648

 稼働可能時間:87秒

____________________

____________________

【スキル発動】

 神チート〈ver.2.0.2xx〉:※※※ 緊急警告 ※※※

 敵能力値、さらなる上昇を検知

 こちらも対応レベルを引き上げます

《オーバードライブ》出力上昇

 消費MP:200/秒

 稼働可能時間:44秒

____________________

 リョージの身体にさらなる力が漲る。きたぜ!三倍○王拳!


 グラドが瓦礫の中から立ち上がり、再び襲いかかってくる。


 ガギィン!!

 今度は受け止めた。

 剣と爪とが激突し、猛烈な火花が散る。


 圧力でバキリと床石が砕け、足首まで埋まった。

 アダマス・ヴァルトの魔法陣全開!

 剣身に自動修復が走る。

 やばい、MP吸われるぅーー。


 互角。


 いや、少しずつリョージが押し始めている。


「馬鹿な……!」


 グラドの目に焦りが浮かぶ。


「アシュレイ様! もっと! もっともっと力を! この一戦に次代魔王の座がかかっております!」

「わ……わかって、……いる……」


 アシュレイの声が掠れていた。


 どくんっ! どくんっ! どくんっ!


 空間の脈動が異常な速さに加速していく。

 赤い光が脈打つたびに、地下室全体が震え、軋む。

 天井からハラハラと天井の欠片が降り注ぐ。


 グラドの身体が、さらに巨大化した!

 本物のドラゴンのように変形していく。


 くそっ! フ○ーザ様第三形態かよっ!


 三メートルを超える巨竜!


「ウ゛コ゛ォ゛オ゛オ゛オ゛オ゛オ゛!」


 グラド・ドラゴンのさらなる咆哮。

 いちいちうるさい!

____________________

【スキル発動】

 神チート〈ver.2.0.2xx〉:カウントダウン

 MP:6,176 → 4,278

 稼働可能時間:22秒

____________________


 勝てないかもしれない。


 そんな弱気が脳裏を過った時——


「リョージぃぃぃ!!」

「負けないでぇぇぇぇ!!」


 エレナとリリア、嫁ちゃんたちからの黄色い歓声ンン!


『負けたら村に入れないよぉぉ!』

『無事に帰ってこないと報酬出ませんよ!』

『ぐぉらぁ! クリムゾンドラコ10本奢らせっぞ!』


 なんか空耳で声援が聞こえたぁ!


 ふぉおおおおおおおお!


 ————キィィィタァアアアアアアアア!


 ミナギるぅぅぅぅう!

____________________

【スキル発動】

 神チート〈ver.2.0.2※あ・%〉:※※※ 緊急kei——……※※※

《オーバードライブ》臨界突破!

 消費MP:∞/秒

 稼働可能時間:くぁwせdrftgyふじこlp

 ※注意! プログラムファイル損傷! 行動終了後《神チート》強制停止します!

____________________

 神チート緊急停止?!


 ――上等! 死んでやらぁ! カモン! 界○拳×二○倍!


 反射的にリョージの身体は動いた。


 極限まで身体を縮めたクラウチング・スタートから――ヨーイ!


 ズドンッ!!!


 リョージはアダマス・ヴァルトを弾頭としたミサイルとなった。


 一閃。


 グラドの右腕が肩から切断され、宙を舞った。

____________________

【スキル発動】

 神チート〈ver.2.0.2♨・$〉:【災厄の竜殺し】発動

 効果:竜属性敵に特殊効果(防御力無視)

____________________

「ぐきゃああああああ!」


 グラドが悲鳴を上げる。

 だが、すぐに傷口から再生が始まる。


 脊髄反射な追撃発動。

 脇下から切り上げ左腕を切断。


 そのまま、大上段から脳天唐竹割に神速の刃を叩きつけた。

 剣先が大地を穿つ。


 一拍の間を置いて。

 中心からずるりとグラドの巨体がずれた。


 どしゃり、と床に倒れ込んだ。

____________________

【スキル発動】

 神チート〈ver.2.0.2&・あ〉:カウントダウン

 MP:?,?81 → ?,?42

 推定稼働時間:約ⅻ秒?

____________________

「ぐ……う……」


 まだ再生しようとしている?!

 あかん、しつこすぎる。


 私のMPのHPはもうゼロよ!!


「――ぅん?」


 ルミナス・ハートの光が、不規則な明滅を繰り返し始めていた。


 どっ! っどど どっ! どくん!どうどど! どどど――


 びくん……びくん……


 鼓動が不安定になっている。

 不整脈や!

 心室細動か?!

 そこのあなた!

 AEDを持ってきてください!


「グ……ゾ……」


 アシュレイの呻き声が聞こえた。

 どしゃり……

 魔界公爵子の姿はその場に崩れ落ちた。


 ルミナス・ハートから両手が離れ。

 赤い点滅が急速に弱まっていく。


 どくり……どくり……


 脈動が元のリズムに戻り始めた。


 グラドの再生が完全に止まる。

 再生したはずの傷が再び開いた。


「ア゛……ア゛ア゛……」


 うめき声も止まり、その身体が、みるみる縮んでいく。

 そして――元の姿に戻り、息絶えた。

____________________

【スキル発動】

 神チート〈ver.2.0.2€ξ・c〉:カウントダウン

 MP:?38 → ?38

 推定稼働時間:約θ秒?

____________________

 リョージはアシュレイの元に駆け寄った。


 青い顔の魔貴族は床に倒れたまま、虚ろな目で天井を見上げている。


「ヴっ……」


 若々しく力強かった体は老人のように痩せ細り、髪は白くまばらになっていた。


「ま……さか……」


 掠れた声。


「こんな……はず、では……」


 リョージは剣を構えた。


「終わりだ、アシュレイ」

「く……」


 老人のようなアシュレイの顔がゆがむ。

 笑おうとしたのか?

 でも顔の筋肉は醜く引き攣るのみ。


「私はぁ……次代の……魔王にぃ……」


 その言葉を最後に、アシュレイは力尽きた。

 身体は黒い粒子になって崩れていく。


 風が吹いたわけでもないのに、粒子は音もなく消え去っていく。


 そして――何も残らなかった。

____________________

【スキル発動】

 神チート〈ver./ⅲ/./0110......:※※※ 緊急停止 ※※※

《オーバードライブ》停止

 MP:※A / 14,20---////////

 グラdo(竜魔族・Lv//80)※特殊変異体

 アシュ0... 魔族・Lv.450)※特殊変異体

 経験値:壱&kome参〇〇zer0獲得

 〇レベルアップ

 Lv.107 → Lv.140

 HP:1,706/10,700 → 14,000/14,000

 MP:28/10,700 → 14,000/14,000

 〇スキル獲得

《竜鱗鎧》:竜の鱗と同等の防御力を取得

《魔力増幅》:魔法の威力を増幅させMP消費を半減する

 〇称号獲得

【災厄の竜殺し】→【竜族無双】:竜族の敵に対して無双効果

【魔樹殺し】【魔狼殺し】→【魔族特効】:魔族全体に対して特別効果

【守護者】【街の英雄】→【ノルトヴァルトの英雄】:ノルトヴァルト住民の好感度アップ


 !警告!※※※ 全機能停止中 ※※※!警告!

 推定復旧時間:36,000秒

____________________


 どくり……どくり……


 ルミナス・ハートの脈動が、穏やかに響いている。


「……終わった」


 リョージは剣を下ろし。

 その場で倒れ伏した。

お読みいただきありがとうございます。


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