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異世界転生したが神のスキルが使いづらい【完結保証】  作者: Darjack
第2章

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第12話 秘密の冒険者

測定室を出て、再び訓練場に戻る。

そこには、すでにレオンが待ち構えていた。

「よう坊主、測定はどうだった?」

ニヤニヤと笑いながら近づいてくる。

「まあ……普通ですかね」

リョージは曖昧に答えた。

ガルドとサラが、無言で顔を見合わせる。

「そうかい。じゃあ次は模擬戦闘だな。俺も見させてもらうぜ」

レオンは訓練場の端に腰を下ろした。

「では、模擬戦闘を始めます」

サラの声にガルドが訓練場の中央に立った。

「ルールは簡単だ。俺と戦って、一撃でも入れられたら合格。ただし、こっちの攻撃を三発食らったら失格。武器は自由、魔法も使っていい」

ガルドは腰の大剣を抜いた。

「手加減はするが、本気で来い。じゃないと、お前の実力は測れねえからな」

「分かりました」

リョージは腰に差していた剣を抜いた。

「じゃあ、始めるぞ——」

瞬間、ガルドが地面を蹴った。

速い。街道で戦った盗賊なんかとは比較にならない。

大剣を横薙ぎに振るう。その一撃は、明らかに手加減しているとはいえ、並の冒険者なら避けられない速度だ。

だが。神チート様のアップデートは完了済みなんだな。

_______________________

【スキル発動】

神チート〈ver.0.3.4β〉:回避行動を実行します。

推奨移動:左へ0.8メートル

※神チートは AI のため、誤りを含む可能性があります。回答内容は必ずご確認ください。

_______________________

※以下~~!! ポンコツが!

視界の端に矢印が現れる。短い赤。

色が緊急度合いで長さが距離だ、体の位置をずらす。

大剣がリョージの鼻先を掠める。ぎりぎり過ぎた! もう少し早く動くか回避距離を長くとるか。微調整、微調整。

「……ほう」

ガルドの目が、鋭くなった。

「避けたか。だが、次はどうだ!」

連続攻撃。頼むぜ神チート。

_______________________

【スキル発動】

神チート〈ver.0.3.4β〉:連続回避を実行します。

最適ルート:表示します。

※神チートは不正確な情報を表示することがあるため、生成された回答を再確認するようにしてください。

_______________________

※←コメントぉ~~!! 

視界に青い軌跡が浮かび上がる。リョージはそれに従って、最小限の動きで避け続けた。

続いて上段。

下段。

横薙ぎ。

よしよし、さすがは神チート。指示通りに動けば面白いように回避できる。

「なんだこりゃ……」

レオンの声が聞こえる。

「全部避けてやがる……」

十数回の連撃が続く。

すべて、かすりもしない。

「……お前、本当に新人か?」

ガルドが剣を下ろし、息を整えた。

「回避能力だけなら、A級冒険者並みだぞ」

「いえ、その……」

リョージは剣を構えた。

「次、こっちから行っていいですか?」

「……来い」

ガルドが構え直す。

_______________________

【スキル発動】

神チート〈ver.0.3.4β〉:最適攻撃を実行します。

目標:右肩フェイント→脇腹

成功率:98.7%

_______________________

リョージは踏み込んだ。

剣を振るう。右肩への斬撃——

ガルドは余裕で受け止めた——はずだった。

だが、リョージの剣は受け止められる直前に軌道を変え、ガルドの脇腹へと滑り込む。

「——ッ!」

ガルドが後ろへ跳ぶ。

剣の切っ先が、彼の服を浅く裂いていた。

「……一撃、入れたな」

ガルドは自分の脇腹を見て、ゆっくりと笑った。

「合格だ」

訓練場が、静まり返る。

「……嘘だろ」

レオンが呆然とつぶやいた。

「ガルド試験官に一撃……?」

「リョージだったか。お前の初期ランクはD級とする。異論はないな、サラ」

「はい。魔力測定の結果と実戦技術を考慮すれば、妥当かと」

サラが頷く。その目は、相変わらずリョージを静かに観察していた。

「D級!?」

レオンが目を見開いた。

「新人でD級スタートなんて、めったにねえぞ!? 普通はG級かF級からだろ!?」

「だから本物だって言ってんだろ」

ガルドはレオンを一瞥し、リョージに向き直った。

「本来ならもっと上のランクでもいいくらいだが、実績がねえからな。依頼をこなしていけば、すぐにランクアップできるだろう」

「では、リョージ様。ギルドカードの発行と買取手続きを進めましょう」

サラがリョージを促す。

「はい」

リョージは彼女の後について、再び建物の中へ向かった。

レオンは、呆然と立ち尽くしたままだった。


◇◆◇


建物に戻ると、サラは受付カウンターではなく、奥の部屋へと案内した。

「買取はこちらの査定室で行います」

扉を開けると、広めの部屋に大きなテーブルが置かれていた。

壁際には天秤や測定器具、魔核の鑑定用と思われる水晶が並んでいる。

「こちらに討伐部位と魔核を出していただけますか」

サラがテーブルを示した。

「はい」

リョージはリュックを下ろし、中から討伐部位を取り出し始めた。

ゴブリンの右耳、ホーンラビットの角、フォレストスネークの毒袋—— 次々とテーブルに並べていく。

「……あの」

サラの声が、わずかに震えていた。

「はい?」

「その……量が、かなり多いようですが」

彼女の視線が、リュックとテーブルを行き来している。

「ああ、はい。三日ほど森で狩りをしてたんで」

「三日……」

サラは眼鏡を押し上げた。

オオカミの牙、オークの鼻、ブラックベアの毛皮—— テーブルが、みるみる埋まっていく。

「……リョージ様」

「はい」

「このリュックの容量では、この量の素材は入らないかと」

「……」

リョージは少し考えた。

「あの、サラさん」

「はい」

「もし、ですけど……容量が異常に大きい収納って、どのくらい珍しいものなんでしょう?」

サラの目が泳ぎ、そしてわずかに見開かれた。

「……もしかして、無限収納のことをおっしゃっていますか?」

「無限収納……?」

ちょっとわざとらしかったかな?

「ええ。無限……に近い容量の物を収納できる魔法技術です」

彼女は声を潜めた。

「事実かどうか定かではありませんが、歴史上、数名の英雄がスキルとして保有していたという記録がございます。現在、スキルとして持つ方は……王国に一人いるのかいないのか……」

「そんなに……」

「はい。もう少し容量の小さいものなら、魔道具として上級貴族や王族の方が所有しているものがあります。とはいえ、その価値は金貨数十枚以上かと」

金貨数十枚……って、おいくら万円?

サラは眼鏡の奥の瞳で、じっとリョージを見つめた。

「リョージ様のリュックは……もしかして」

「……ここだけの話ですが」

リョージは声を落とした。

「たまたま手に入れたんですが、容量がかなりあるみたいなんです」

「……なるほど」

サラは小さく頷いた。

「それは非常に貴重なものです。秘匿していただいた方がよろしいかと」

「はい、そうします」

「ギルド職員には守秘義務がございますので。私から他言することはありません」

彼女はそう言って、一礼した。

「あの……」

サラが言葉を継いだ。

「大量輸送の依頼がありましたら、指名依頼をお願いできるでしょうか? 冒険者ギルド内でも守秘事項として取り扱いますし、相応の報酬も保証されますし……」

「サラさんからの依頼なら」

リョージが答えると、サラの顔は見る見るうちに真っ赤に染まった。

「あ、ありがとうございます」

かすれる声が、意外にかわいい響きだった。

「では——」

サラは改めてテーブルの上を見た。

「かなりの量ですね。普通はこの量を狩るのに一ヶ月はかかります」

「そうなんですか」

(そういえば村長がそんなこと言っていたっけな)

「ええ。全て査定させていただきますが……あの」

彼女はリョージを見上げた。

「もしかして、まだありますか?」

「……はい」

「……やはり」

サラは小さく息を吐いた。

「こちらの査定室では手狭かもしれません。倉庫へ移動しましょう」

「分かりました」

二人は建物の奥、さらに広い倉庫へと移動した。


◇◆◇


石造りの天井が高く、魔物の素材や武具が整然と並べられている。

体育館ぐらいの広さがある。ここならアレも大丈夫だろう。

「では……」

リョージはリュックに手を突っ込み、《無限収納》から取り出し始めた。

街道で狩った魔物の素材。

そして——

ごろり、と。10メートル近い巨木が床に転がった。

「エルダー・トレント……!」

サラが後ずさりして息を呑む。

「それと……」

さらに大きな影が、倉庫に現れた。

黒い鱗。巨大な翼。鋭い牙。

体長二十メートルの黒き竜の骸が、倉庫の床を占拠した。

「……」

サラは言葉を失っていた。

「……少々、お待ちください」

ようやくそれだけ絞り出すと、ふらつきながら倉庫を出ていった。

数分後。

扉が開き、サラと——ガルドが入ってきた。

「おいおい、サラちゃん『とにかくすぐ来てください』なんて……」

倉庫の中を見たガルドの言葉が、止まる。

「……」

しばらくサラと同じ状態が続き。

「……なんだこりゃ」

ようやくそれだけ絞り出した。

「エルダー・トレントに……ドラゴン……?」

「はい」

リョージは頷いた。

「グリーン・フィールド村で討伐しました」

「……お前」

ガルドがゆっくりとリョージを振り返った。目が怖かった。

「グリーン・フィールド村で、何があった?」


新作公開始めました、安心の完結保証付きです。


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短期集中投稿

次回以降の更新は

16日(土)8:00 12:00 20:00

17日(日)8:00 12:00 20:00

18日(月)8:00 12:00 20:00

以降20:00更新予定←事情により変更します。

19日(火)8:00 12:00 20:00

20日(水)8:00 12:00 20:00

21日(木)8:00 12:00 20:00

22日(金)8:00 12:00 20:00

23日(水)8:00 12:00 20:00

24日(木)8:00 20:00

25日(金)8:00 20:00

以降20:00更新予定

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