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【完結】異世界転生したんだが神から貰った最強スキル【神チート】がクソ仕様  作者: Darjack
第2章

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第10話 思わぬ道連れ

 グリーン・フィールド村を出て、三日目。


 商都リベルタまであと少しだ。


 街道沿いの森を抜けると、開けた平原が広がる。

 遠くに城壁に囲まれた大きな街が見えた。


「あれがリベルタか」


 村とは比べものにならない規模だ。

 城壁の高さは十メートル以上はありそうだ。


 街道には荷馬車や旅人が行き交っている姿が遠目に見える。

 神チートのナビによれば、あと数時間で到着らしい。


 今日中に美味しいもの食べたいな。


 村で貰ったパンや干し肉、ぶどう酒も旨いんだけど、流石に三日間食べ続けると飽きる。


 と、思った矢先――

____________________

【警告】

 神チート〈ver.0.3.3β〉:敵対存在を検知。

 対象:盗賊団12名

 推奨行動:排除

____________________


 盗賊か。


 街道の脇、森の陰から現れた複数の人影。


 皆、抜き身の山刀をぶら下げている。

 殺る気満々ですな。


「おい、しょぼい兄ぃちゃん。なんか金目のもん持ってるかー?」

「わはっは、持ってなかったら死ぬだけだ、さっさと出すもん出した方が身のためだぞ」


 こんな近くで盗賊が出るようじゃ治安最悪だな。

 大丈夫か? 商都リベルタ。


 先頭の男が下品な笑みを浮かべている。

 傷だらけの顔、欠けた歯、汚れた革鎧。


 チラつかせている山刀には、所々錆が浮いている。

 絵に描いたようなカマセ盗賊団だな。


「兄ぃちゃん、通行税だ、身ぐるみ脱いで置いていきな」


 後ろから次々と小汚いおっさんたちが現れる。

 全部で十二人。

 神チートの警告と同じ人数。


 おいおい、何人か伏せておかないのかよ。

 しょぼい兄ぃちゃん一人なら、軽いと思って舐めちゃったかー。そっかー。


「この街道は《黒狼団》の縄張りだ。素直に金を出せば命だけは助けてやる」


 おー、テンプレ展開きたなぁ。


 異世界に来たんだって実感するよ。

 ワクワク。


「金はないんだよねー」


 さすがにグリーン・フィールド村からお金貰うわけにはいかないじゃん?


 銀貨の詰まった袋を押し付けられそうになった。

 けど、食料と魔物の討伐証明だけで十分だって断った。


 街道には自販機もコンビニも無いだろうし。


 ドラゴンの死体は村じゃ解体できなかったから、上手く無限収納に回収してきたけどな。


 どの道、リベルタで売らなきゃ金にはならない。


「はっ、本当にしょぼいにぃちゃんだったな。殺してから剥ぎ取るか。やれ!」


 槍に山刀に弓、一斉に襲いかかってくる。

 いやん、神チート先生~出番ですよー。


_____________________

【スキル発動】

 神チート〈ver.0.3.3β〉:戦闘補佐機能アップデート中

 完了推定時間:12分

_____________________


 ……はい?

 またか。


 安心してください。

 一気にアップデートを行わないように改良済みですよ。


 戦闘機能が停止しても索敵と防御は生きている。


 つまり、攻撃回避は自力でやれってことだな?

 微妙なポンコツ様。


 飛んできた矢を一歩踏み込み、村長の剣で切り落とす。


 ――ザンッ!


 遠心力に身を任せる。

 最初に突っ込んできた男の槍を絡めて弾き飛ばした。

 流れるように柄頭で顎を打ち上げる。


「がっ!」


 あ、骨折れたかな?


 そのまま旋回。

 背後から迫る斧を剣で弾く。

 体勢が崩れた所を蹴り飛ばした。


「な、何だこいつ!」


 弓矢が飛んでくる。

 もちろん村長の剣の餌食だ。


「嘘だろ……!」


 三人が同時に襲いかかってきた。


 さすがに頭使うか、でもろくに訓練していないな?

 連携が拙い。


 軽快なステップで各個撃破だ。

 全員の武器を弾き飛ばす。

 柄頭と拳で一人ずつ殴り倒していく。


「ひ、ひぃぃぃ!」


 残った盗賊たちが逃げ出そうとするが。

 そうはイカのなんちゃらら。


 チートダッシュで先回り。

 何人かはその場で武器を投げ出して降参した。


「す、すまんかった! 見逃してくれっ」


 すまんで済んだら警察はいらない。

 ご愁傷様。


 ドカ! バキ! グシャ!


 ふむ、ちょっと遊んじゃったかな。30秒じゃ終わらんかった。

 精進せねば。

____________________

【戦闘終了】

 経験値:360獲得

____________________


 けっ!


 雑魚すぎだな。

 1レベルもあがりゃあしない。


 盗賊たちを武装解除してロープで全員を一列につないだ。


「はい、全員並んで!」


 リョージの声に全員が硬直し、あたおたと整列した。


「これから、リベルタに向かう。さっさと歩け」

「あ、ああ……ど、どうなるんだ?」


 さっきとは打って変わってしおらしいな、おっさん。


「リベルタの街で衛兵に引き渡す。後は知らん」


 人間は魔核ないから黒霧にはならんだろう?

 解体しても食えんし。


 いっぱしの盗賊なら番所へ突き出せば金一封ぐらいにはなるだろう。


「か、堪忍してくれ。どの道縛り首じゃねぇか!」

「嫌ならここで仲間に殺して貰うか? 身ぐるみ剥いで売れば二束三文にはなるだろ。どっちにする?」


 盗賊たちは顔を見合わせ、震えながら頷いた。


「わ、分かった! リベルタへ行く」

「よし。じゃあきりきり歩けよ? ぐだぐだしてたらヌっコロして丸裸だからな」




「衛兵さんこの人たちです」


 門の前では何人もの旅人や商人が並んで居た。

 けど、十二人もの髭だらけのむさ苦しいおっさんを引き連れたリョージを見て、皆快く順番を譲ってくれた。


 『うわぁ……』


 って顔してたけどな。


 予想よりスムーズに衛兵さんの所まで行けた。

 ロープで繋がれた盗賊団を見た衛兵さん唖然としていた。


「こいつら、もしかして《黒狼団》じゃねえか?」


「あーなんかそんな感じで名乗ってましたね」

「まさか、一人で捕まえたのか?」


 衛兵たちがリョージを見る。


「街道で襲われたんで」

「ひい、ふう――すげえ。十二人を? お前、冒険者か? 何級だ? Aか? Bか?」


「いえ、これから登録しようと思ってます」


 改めて衛兵隊の方々は絶句しておられた、むふ。


「今証明書いてやる、冒険者ギルドへ持って行けば盗賊討伐の報酬が出るぞ」


 おおぅ! ラッキー!


「助かったぜ。《黒狼団》は街道で何人も襲ってたんだ、そのくせ神出鬼没でなかなか見つからなかった。今回、絶対に本拠地を吐かしてやる」


 証明書を書いてくれた責任者らしき人が鼻息荒く息巻いていた。


「それは良かった、ぜひ治安の向上に役立ててくれ」


 衛兵たちに見送られながら、リョージは門をくぐった。




「すごい人だな」


 ものすごい喧騒だ、圧倒されてしまう。


 グリーン・フィールド村と比べるのもなんだけどな。


 首都圏の主要駅前並みの人波が行き交っている。

 荷馬車が通り、商人が声を張り上げ、子供たちが走り回る。


 根っからの田舎者にはちょっとめまいがしそうだ。

 人混みを避けるように歩きながら、小さな広場のベンチに腰を掛けた。


「ふぅ」


 とりあえずリベルタに入ったということで恒例のアレ、いっときますか。


「ステータス・オープン」

____________________

【ステータス】

 名前:アマツカリョージ

 レベル:82

 HP:8,200 / 8,200

 MP:8,200 / 8,200

 〇スキル

 神チート〈ver.0.3.4β〉《言語理解》《無限収納》《魔法適正:ALL》

《感情共鳴》《火炎耐性》

 〇称号

【災厄の竜殺し】【魔樹殺し】【守護者】【村の英雄】

____________________

 レベル82か。


 何か知らんけど随分と上がったんだな。


 二匹目のドラゴンを倒した時、《竜殺し》が《災厄の竜殺し》に変化した。

 多分ドラゴンタイプに特効とかの効果が乗るんだろう。


 どのみち神チート無双ほぼだから大勢に影響はないんだけどな。

 ポンコツだけど。


「リナ、元気にしてるかな」


 まだ三日だけど、もう懐かしいよ。


 胸がキュン言うたわ。

 さっさとこの世界を冒険しつくして村に帰るとするか。

お読みいただきありがとうございます。


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