chapter.31
コンコン
「瑞華さん、ちょっとお話があるんですけど…」
ブルーローズが風呂から上がってしばらくして、彼女らに割り当てられている部屋を、司が訪れていた。
「…瑞華さん?」
ノックをしても返事がないことに首を傾げ、司は扉に手をかける。
すると、そのままなんの抵抗もなく扉が開いた。
(無用心ですね…)
内心心配しつつも、司が中の様子を伺ってみると、その目には予想外のものが写る。
「…おや?」
司は一瞬目を見開き、そしてふっと笑った。
そこに広がっていたのは、微笑ましい光景だった。
キングサイズのベッドのど真ん中で、猫のように丸くなっているのは瑞華だ。
「どうしましょうか…」
気持ち良さそうに眠っているその様子に、起こすのは憚られたが、一応声をかけてみる。
「瑞華さん?」
「……」
加えて軽く揺すってみても、瑞華に起きる気配は感じられなかった。
「仕方ありませんね…。また明日にしましょうか」
司は表情を和らげながら、小さく息をつく。
そして布団をかけてあげようとして、あることに気づいた。
(やはり、大きかったですか)
瑞華の着ている龍のお古が、彼女にとってはやはり大きめなのに気付き、くすりと小さく笑って布団をかけ直す。
「おやすみなさい、瑞華さん」
そう小さく呟いて、司は電気を消すと、その部屋を出ていった。
ぱたん、と扉が閉まる小さな音が響く。
そんなことがあったことなど露知らず、瑞華はすやすやと眠っていた。
それぞれの、夜




