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blue rose  作者: 灑凪
23/35

chapter.22

 「…で? 何を企んでるワケ?」

 「企むなんでひどいですね」


  智彌と龍のお陰(?)で、八人の剣呑な雰囲気は大分払拭されていたが、やはり完全に拭われる訳ではない。

 瑞華が司に疑いの眼を向けると、司はそれを軽くいなした。


「私たちは、あなた方とお友達になりたいだけです」

「…信用ならないわね」

「ふふ…。警戒心が強いですね」

「当たり前でしょ?  昨日あんなことがあったんだから、疑わないわけがないじゃない」

 相も変わらず笑顔の司を腹立たしく思いながら瑞華は言う。

「昨日のあれは不可抗力ですよ。智彌も龍も、悪気があったわけではありません。…そうでしょう?」


「…そうだな。別に悪気があったわけではないかもしれないかもしれない」

「ややこしいなオイッ!」

 司に水を向けられた智彌の答えに、詩苑が思わずつっこみを入れた。


「ただ、からかったら楽しそうだなーと思って」

「むぅ…。すっごい悩んでたのに!!」

 智彌に続いて龍が答え、煉夏が不満そうに口を尖らす。


「…余計なこと言うなよ~龍。お前は女心がわかってないな~。俺なら一発で女の子をKOする口説き文 句の一つも…」

「…うるさい変態。」

 それを見た犂人が、臆面もなく言い放ち、椿が虫酸が走るとでも言いたげに呟いた。


「…でもそれが本当だとしても、ここに来たのは私たちとオトモダチになりたいから、っていう理由だけじゃないんでしょ?」


「…さすがですね、瑞華さん」

 瑞華の言葉に、細められている司の目が怪しく光る。

「はんっ。あたしがすごいことくらい、アンタに言われるまでもなくわかってるわ」


「…自信満々だ…」

「あぁ、アイツはああいうヤツだ」

「あの感じ、司チャンと互角くらいじゃね?」

「お腹真っ黒だからな」

「おっかな~」

「瑞華怒らせるとこっわいんだよ~」


 自分の船のクルーたちがひそひそと話をしているのをガン無視して、船長たちの腹の探りあいは続く。


「瑞華さんのお察しの通り、私たちの狙いは、この屋敷で開催されるオークションです」

「…奇遇ね、あたしもよ」

「知っています」

「渡さないわよ」

「お互い様です」


 ドス黒いオーラが渦を巻く。



 ~♪


 その真っ黒い空気を打ち破るかのように、やがて屋敷内の照明が落とされ、音楽の曲調が変化した。

 どうやら、本格的にダンスパーティーが始まったようだ。


 それはつまり、オークションの開始をも意味するわけで。


「あたしのお宝は渡さない!!」

「いやだなぁ、私も渡すわけにはいかないんですよ」


「って、あ、オイ!!」

「…司チャンが燃えてる…」

「珍しいこともあるものだな」


「…行ってしまったぞ、瑞華」

「だなぁ…」

「アハッ。楽しそうだね~」

 猛ダッシュで駆け出した船長組を、残された六人は多種多様な反応を見せながら見送っていた。



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