chapter.15
「ほら見てこれ~」
そう言って煉夏が差し出したのは、瑞華が発明したという携帯で撮った、一枚の写真だった。
「……煉夏、こんなの撮ってきたのか…?」
「うん、記念に」
そこには、額の前でピースをして、手配書と一緒に写る煉夏の姿があった。
椿が呆れ気味に言う。
「え~、これ写真映り悪いぃ~」
「…今はそんなことどうでもいいだろうが…」
瑞華が、煉夏の撮ってきた写真の中の手配書を見て不服をもらした。
詩苑は、それに的確なつっこみを入れることを忘れない。
「ほら見てココ」
そして煉夏が指差す先には、『ブルーローズ』の四人の手配書の他に、別の四枚の手配書が写っていた。
「あ、ホントだ」
それを見て、詩苑は目を見開く。
「えーと、何々?」
瑞華が写真を覗き込み、その手配書を読み上げた。
+海賊団 スカルグロウ+
船長
“白魔の軍神” 司
副船長
“烈風の守護神” 智彌
航海士
“深遠の天神” 犂人
戦闘員
“紅蓮の炎帝” 龍
「あたしらが会ったのはこの二人だね」
そして詩苑が、副船長と戦闘員を示した。
「…なるほど。確かに曲者揃いのようだな」
椿が『スカルグロウ』の懸賞金の額を見て言う。
「たぶん、あたしたちと互角か、それ以上かも…」
煉夏が言った。どうやら彼女も、詩苑と同じように、彼らがただ者ではないということを敏感に感じ取っていたようだ。
「…ただ、さっきの状況からすると、まだコイツらにどんな意図があるのか分からないね…」
「うん。たまたまあたしが、この智彌って人にぶつかっただけだから…」
瑞華の言葉に詩苑が答える。
「…これからの相手の出方による、か…」
椿が顎に手を当て考え込んだ。
「…でも、確かに強そうだったけど、悪い人たちでもなさそうだったよ~?」
煉夏が小首を傾げて言う。
「…まぁ、ここでひたすら悩んでも埒が明かないから、とりあえずこの話は終わりにしよっか」
珍しくまともなことを言う瑞華に、三人は異論なくうなずいた。
「…めんどくさいし。」
「…その一言は余計だ」
ちらりと見えた船長の本音は、 副船長に頭を抱えさせるには、十分過ぎるほどの威力があった。




