↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
blue rose  作者: 灑凪
13/35

chapter.12

「…結構大きな街だね」

「だね~」


 二人並んで街の入り口に立ち、詩苑が言う。

 煉夏はあちこちキョロキョロしながら、そんな彼女の言葉に同意した。

 街道の両脇には露天が列び、そこかしこから活気に満ちた声が聞こえている。


「詩苑~、おっきなお屋敷があるよ」

「あ、ホントだ」

 街道をずっとのぼった先の小高い丘の上に、かなり大きくて豪華な邸宅が一軒建っていた。

 所謂、領主の屋敷だろう。

「……なんか、金かかってそうだな…」

 瑞華が喜びそう、と呟く詩苑に、煉夏もすかさずうなずく。


「さて、じゃあ資材屋探そうか」

「うんッ」

 一通り街を観察したあと、二人は船の修理の材料を買うために、資材屋を求めて街に入っていった。


  +++++++++


「や~…、思ったより安く買えた」


 思いの外安上がりだった資材に、細々した材料を抱えた詩苑はホクホクだ。

「面白そうな食材もあったよね~」

 大きな板を担いだ煉夏も、同じくニコニコしながら言った。



「あ。」

「ん? どした~煉…げっ!?」


 街道を下っている途中で、煉夏が突然足を止めた。 不審に思った詩苑が、その視線の先を追って硬直する。


「あたしたちの手配sもがっっっ!!」


 興奮して、しかも嬉しそうに叫びそうになる煉夏の口を、詩苑は慌てて塞いだ。


 二人の見つめる壁の掲示板には、いくつかの手配書が貼ってあった。


「マジか……」


 忘れてはいけない。彼女らは腐っても“海賊”であると言うことを。


 その掲示板には当然のごとく、彼女たちの手配書も存在していた。


「……これ、は、マズくないか…?」

 詩苑が冷や汗を流すその横で、煉夏はといえば。


「きゃーっっ! スゴい!初めて見た!! ちゃんと二つ名まで書いてあるし!! 写真撮んなきゃ写真!!」


 パシャッ


「撮れた♪」


 ……異常に興奮して、自分の手配書と記念撮影をしていた。

 しかも、きっちりポーズまで決めている。


「ぎゃーっ!! あんた何やってんの!?」

 そして詩苑が何より驚いたのは、煉夏の手に納まっている物体だ。

 その手の中には、小さな箱のようなものがひとつ。

 それは、この時代にはまだ、存在していないはずのモノ。


「ってなにそれどっからそんなもん手に入れた!?」

「瑞華の発明品。電話は電波局ないからできないけど、写真くらいなら撮れるよーって」

「なんつーもん作ってんだアイツは!! 世界観壊す気かっっ!!」

 彼女は思わず叫ぶ。とは言っても、煉夏の手にあるその“携帯電話”が消えるわけもない。

 ……それに、世界観もなにも、もともと色々間違ってるしファンタジーだし。

「少しは繕えェェェェェッッ!!」


「…詩苑~? 誰に向かって話しかけてるの?」

「うがーッッ!!」


 ツッコミどころが満載過ぎて、さすがの詩苑も捌ききれないようだ。

 そんな彼女に、煉夏は訝しげに声をかけた。

 …しかし、こっちにまでツッコミをいれるとは…。

「うっさい!!」


「しおーん?」

「…ナンデモナイ。」


 詩苑は一気に一日分の体力を使ってしまった気がした。



ごめんなさい…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。