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妹がラインを超えようと必死な件  作者: にとろ


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079_妹と一般的な兄妹

「お兄ちゃん! 最近出来たカフェに行きませんか?」


「めんどい……」


 俺が正直に言うと阿地は不満そうにグチグチ言う。


「えー……絶対楽しいですって、デートスポットとしても有名ですし……お兄ちゃんと行けばいい感じに写真を撮ってSNSに上げられますし」


 いい感じってなんだよ? 兄妹でデートをしろってか、毎日顔を突き合わせてんのに出歩くときまで一緒なのかよ、どこでも一緒かお前は?


「めんどい……」


 もう一度行きたくないと言ったのだが……


「なんかお兄ちゃんの心の声が聞こえたような気がするんですけど……? お兄ちゃんは妹とデートするのに何の躊躇もない人ですよね? 毎日顔をあわせていてもいい感じに外でも一緒に居たい人ですよね」


「心を読むんじゃない、兄妹なんだから別に外でまで一緒に出かける必要はないだろ?」


「じゃあお兄ちゃんは兄妹だから一緒にお風呂に入ってもおかしくないですし、同じ布団で寝てもおかしくないと仰るんですね?」


「いやそのりくつはおかしい。何年前の話だよ……幼稚園にも行ってなかったろ、俺の記憶の限りそんなことをした覚えは無いぞ」


 俺の記憶の限り一緒に風呂に入った覚えは無いし、一般的にそういったことが多い方ではないと思っている。勝手に記憶を捏造しないでほしい。


「まあまあ、お兄ちゃんも正直になりましょうよ、妹と一緒にお出かけできて嬉しいんでしょう? ね?」


「いや……」


「お兄ちゃんが兄妹だからって言うなら今夜お兄ちゃんが寝ているところへ乱入しますけど、妹なんだからそのくらいのワガママは何の問題も無いですよね?」


「なんでそうなるんだ……普通に平和に過ごすという選択肢はないのか……」


「無いですね、私は隙あらばお兄ちゃんと一線を越えようとする女ですよ?」


「えぇ……」


「私はお兄ちゃんのためなら手を汚すことも厭わない妹なんですよ」


 阿地はもう少し倫理について勉強してほしいなあ……小学校のどうとくの時間をやり直せないモノだろうか? 道徳なんてくだらないことを言っていると思っていたが、必要性を感じるよ……出来ればそんなモノ感じたくはなかったけどな。


 そうして俺は妹と一緒にカフェにでかけることになった。俺が社会的に死ぬよりは明らかにマシだからだ。妹には逆立ちしたって勝てないなあと思い知らされた一件だった。


 納得はいかないものの、兄は妹のワガママを聞くものと無理矢理納得しておこう。どうやっても勝てない相手はいるものだ、俺にとってはそれが妹だっただけの話だろう。勝てないなぁ……そう思いながら手を繋いでカフェから帰っていた。

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