076_妹に倫理観がまるでない件について
「暇ですねえ……お兄ちゃん、いい感じに遊んでくれませんか?」
「何をやる気だよ?」
「そらもう肌色面積が多めな遊びですよ」
「お前さ、「女遊び」は「遊び」って入ってるから遊びの一つだとか屁理屈を言いそうだな」
「お兄ちゃん、そんな屁理屈は言いませんよ、基本的に『女遊び』を妹とすることは少ないでしょう」
少ないと言ってるが存在はしていると言いたげだな……お前倫理観をカタパルトで投げ捨てたんじゃないか?
「細かいことは良いでしょう? 私とゲームでもしましょうよ?」
「まあ別にそれだけなら構わないんだがな……どんなゲームをやる気だよ?」
「スチムーでは配信できない同人ゲームをやろうかと」
「もうその時点でどんなゲームか分かるんだよ! 子供が遊んでもいいゲームにしろよ!」
俺は思わず叫んだ、そもそも配信だときっちり年齢認証がされるからダメだろう? 危ないネタはやめろって言ってんだろ。
頭の中がピンク色なんじゃなかろうか、自分の妹だというのに表現のチキンレースを走るような真似をしないでほしい。どこに出しても恥ずかしくない妹であって欲しいと思うのが勝手だろうか?
「お兄ちゃんは注文が多い……まあでも一理ありますね、今のゲームには妹成分が少ないですし、少しレトロな妹がたくさん出てくる作品をプレイしても良いかも知れません」
「俺が言いたいのはそこじゃないんだよなあ……というか、ゲームを遊ぶ基準が妹ヒロインの数というのはどう考えてもおかしいだろ」
「何言ってるんですか、ヒロインに妹は多ければ多い方が良いに決まってるでしょう? 私は昨今の妹不足に警鐘を鳴らしているんですよ!」
「その警鐘は誰か聞いてくれるのか? 犬笛みたいに人間には聞こえない音を出してそうだな」
「今はちょっと時代が私に追いつけないだけです! いずれ全てのギャルゲのヒロインは妹になるんです!」
コイツと話してるとどんどん思想が先鋭化するのでやめとこう。
「分かったよ、議論は良いから無難にゲームでもやるか」
その言葉に一応納得したようで、阿地は早速自分の鞄から何かを取り出した。
「ではとりあえずこのゲームからプレイしましょう」
「流れるようにPCゲーの異色作が鞄から出てくるのはおかしいんだよなあ……」
PCゲーム……原作のことだがまあPCで出てるという時点でお察しである。
「安心してください! このゲームはセンシティブな部分がカットされただけでストーリーには何も改編をされていませんから!」
「えぇ……むしろ全年齢向けにきちんと検閲してほしいよ……」
そんなわけで妹とゲームをプレイした。というか、阿地のプレイを眺めているだけだったのだが、コイツは妹ヒロインを全員クリアしたらスッキリした感じでゲーム機の電源を落とした。妹以外はとことんどうでもいいという清々しいスタイルだと思った。




