073_妹と古のゲーム
「お兄ちゃん、退屈なのでゲームでもしませんか?」
「ん~……別にいいけどどのゲームをやるんだ?」
「○鉄」
「お前は俺を怒らせたいのか? そのゲームで一人友人を失った経験がある俺によく言えたな……」
「お兄ちゃんもお友達も大人げないにもほどがありませんか? 私から言っておいてなんですがたかがゲームですよ?」
「設定可能な最長年月でプレイして、後数ターンで終わるってときに全員の資産を吹き飛ばすアイテムを使って友情ごと吹き飛んだんだよ……」
あの時のプレイスタイルは未だ許していない。アイツ、ゲームが終わる寸前まで使おうとするそぶりも見せずに借金を貯めていたと思ったらそれを全員に押しつけやがった。おかげで最終盤で全部順位も資産もひっくり返ったんだぞ。
「もう少し平和的なヤツにしないか? パズルゲームとか」
「そうですねえ……ブロック崩しでもしますか? 私が学校で勉強し成果を詰め込んだヤツですよ」
「それは良いな。でも二人プレイじゃないな」
「いえ、私は見ているだけです」
「え……?」
見ているだけ? それで一体何が面白いんだ?
「ちなみにブロック崩しの背景は私の画像です、パドルの真ん中でボールをはじくと貫通弾が打てます」
「古の脱衣ブロック崩しじゃねえか! 一体何を学んだらそうなるんだよ! 技術の前に倫理を学べ! 法律的にヤベーものを作るんじゃねえ!」
まったく、文字だから許されているが絵が見えたら恐ろしいことになっているぞ。コイツの頭の中にコンプライアンスという概念は無いに違いない。
「せっかく『インターネットの歴史』を調べる課題があったのに……」
「歴史知識が偏りすぎだろ……どう検索したら真っ先にその文化が出てくるんだよ……」
「ぐぬぬ……お兄ちゃん相手だからジョークですむしワンチャンあるかなと思ったのに」
「ないから、頼むから健全な話をしような? そんな古の消えた文化を再現しなくていいから、もう少し生産的な文化を学んでくれ」
なんで真っ先に見つけるのが破滅的な古の文化なんだろうか? コイツが考古学者になったらきっと古代の核戦争跡を見つけるに違いない。
「しょうがないですね、じゃあ無難にMMORPGでも一緒にしましょうか」
「まあそれなら無難だし……」
「文字だけならセーフですしね、自分、見抜きいいすか?」
「お前はなんでそんな文化を知ってるんだよ!」
「いや、敵の攻撃を見抜いてかわすって話ですよ?」
「本当だろうな……?」
この時に妹の目が泳ぐのを通り越して震えているように見えた。人間の眼球って震えうるように出来てるんだなあ!
そんなくだらないやりとりをしながら日が終わっていった。結局、阿地からまともなゲームのアイデアは出てこなかったので二人プレイで無難なシューティングゲームをプレイした。その日、コンシューマゲームに審査のシステムがある理由を思い知ったのだった。




