069_妹はたくさん食べる
「お兄ちゃん、一緒にお昼を食べてくれませんか……」
そう言って来たのは二時、とっくに昼食を食べ終わった頃だ。
「まだ食べてなかったのかよ……一体何を食べたんだ?」
そう言うと、テーブルにいた阿地は、いくつかのモノを持って俺の所へやって来た。
「ちょっとマンガに影響を受けて血糖値スパイクをしようと思ったんですが……私には才能が無かったみたいです……」
悲しそうに言って俺の前にポテチを数袋と、ダイエットでは無いコーラ、それとご飯が大盛りになった丼が置かれた。
「助けてください……何も考えずにあるものを盛ったらご飯一杯食べたところで力尽きました」
「盛った時点で無理だと気が付かなかったのかよ……」
阿地がいた方のテーブルを見れば丼が一つ空になっている。どうもそこで力尽きたらしい。
「まったく……変な真似をあんまりするなよ」
そう言ってからふりかけを取ってきてどんぶりご飯にかけて食べ始めた。結構食べられるが、阿地には無理だったらしい。このくらい食べればいいのにとは思うが、阿地が不健康になるのは良いことではないし、半分くらい食べてもいいだろう。
丼の半分を食べたところで振りかけ二つ目をかけて食べていく。
「お兄ちゃんはちゃんと食べられるんですね。おかげで食事を粗末にせずに済みそうですよ」
そんなことを言うものだから思わず『無駄に食べてるだけで粗末にしてるのは代わらないからな?』と釘を刺しておいた。同じ事を何度も繰り返されると困るんだよ。
「はーい」
どこまで真面目に聞いたか分からない返事を聞いてからさっさと食事を進めた。どんぶりご飯が亡くなった頃に阿地も体力が回復したのかポテチを食べ始めた。よくまあこんな大量に食べようと思ったなとは思う。
「空腹がいかに優秀な調味料か分かりますねえ……」
「気づくのが随分遅かったと思うが……反省はしろよ?」
「はーい。なんだかんだ食べてくれるお兄ちゃんは優しいですね」
「別に俺は優しくない、食べられるものを粗末にするのが気に食わないだけだよ」
食事はしっかりして欲しいものだ。食べられる限界を知っておくのは今回のことで分かっただろうし同じ事はしないだろう。
「私……ポテチが美味しくないって思ったのは初めてなんですよね」
「ポテチだってどんぶりご飯の後に食べられるのを想定してないだろ」
身も蓋もない事を言って阿地に忠告をしてから丼一杯を食べきった。阿地は何とかポテチを食べ終わったところで、ようやく食事は終わった。
「晩ご飯食べられそうにないですね……」
「次から食事は計画を立てて作れよ」
そうして妹と二人の飯は終了した。俺はそこで眠気が来たのでソファに寝転んで意識が落ちてしまった。
目が覚めると血糖値スパイクやっちゃったかと思っていると、自分が阿地に膝枕をされているのに気が付いた。『何をしてるんだ?』と聞いたところ、『食べてくれたお礼です』と言われてしまった。情けないところを見せないようにもう少し気をつけようと思った一日だった。




