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妹がラインを超えようと必死な件  作者: にとろ


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007_動画サイト問答

「暇ですねえ……」


 良いことだろう、そのはずなんだが阿地はなんだか不満そうだ。


「何が気に食わないんだよ、平和な日常は良いことだろう? それとも突然事故で異世界に飛ばされれば満足なのか?」


「お兄ちゃんと一緒の世界にいけるならそれもありですね。とはいえ、もっと安牌を求めたいところではありますが……結婚しませんか?」


「何の脈絡もなくプロポーズをするのはやめろ、俺らは兄妹だろうが……」


「ッチ……流れで頷いてくれる感じだったのに……」


 コイツの中では現実が歪んで見えてるんじゃなかろうか? そんなファンキーな世界には鳴ったことがないだろうに。


「良いじゃないですかー結婚しましょーよ、お兄ちゃんのこと好きですし」


「はいはい、それは良く分かったから適当に配信でも見るぞ」


 俺はうんざりしながらテレビをつけて入力切り替えでスマートデバイスに変え、ミコミコ動画を起動した。こっちの方が好きで配信してる感があってすきなんだよな。


「お兄ちゃん、私とその動画だったら絶対私の方が面白い自信がありますよ?」


「そうか、そりゃすごい。でもな、俺はこういうくだらない動画を見るのが好きなんだよ」


「そもそも私としてはゲーム配信が見たいのでクイッチの方が見たいんですけど?」


 リモコンを適当に操作してクイッチのアプリを開いてリモコンを阿地に渡す。特に思い入れのあった動画でもないし、必要ならスマホで見れば良い、妹と争う理由はまるで無い。


「お兄ちゃん、そこは動画サイトの優劣で兄妹が争う場面だと思うんですが?」


「なんで妹とチャンネル争いしなきゃならないんだよ。俺はそんな大画面に拘りないからスマホで見るよ」


 スマホを取り出してソファにもたれかかってミコミコ動画のアプリを起動した。そう言えばフォロー中の配信者を見てなかったな。


 ポン


「なあ……なんで当たり前みたいに俺の膝に頭を乗せてるんだ?」


 俺がソファに座っているのを良いことに、阿地はその足に頭を乗せてきた。座り心地が悪いだろうが……


「まあまあ、たまには妹のワガママに答えるのも兄の甲斐性でしょう?」


「そんなもんは聞いたことがないな」


「まあたった今私が作った言葉ですから」


 それは捏造というのではないだろうか? それはさておき……


「分かったよ、配信が終わったら起きろよ」


「む、言いましたねお兄ちゃん。それじゃ子の配信が終わるまでは膝枕に付き合ってもらいますよ」


 俺はそう行ってしまったことを後悔した。阿地のヤツ、言質を取ったのをいいことに当分かかるであろう耐久配信を流しやがった。その結果、配信が終わる頃にはまともに歩けないほど足がしびれていた。


 ちなみに阿地はウッキウキでキッチンの方に向かっていった。妹から口は災いの元という言葉を思い知らされたのだった。

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