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妹がラインを超えようと必死な件  作者: にとろ


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048_妹と早朝の出来事

 ある夜、そろそろ暑くなってきたのだが、夢の中で太陽が照りつける池のほとりですまきにされて動けないまま蒸し暑さにイライラしていた。


 目が覚めると……自分には生き物が巻き付いていた。それが何なのかは言うまでも無いだろう、俺の妹だ。


「阿地、お前何やってんの?」


 寝ていると人にがっしり捕まって動けない状態にしている阿地にそう問いかけるのだが起きてくれない。というか寝ているのにやたらと力が強い。どうして寝ている状態でここまでしがみつけるのかが分からない。


「おいこら、起きろっての!」


「ふん……誰ですかぁ?」


 そう言ってからゆっくり目を開いた阿地は……


「お兄ちゃん! いよいよ私の部屋に夜這いに来て……いいですよ」


「何も良くねえよ! ここは俺の部屋だ!」


 そう叫ぶと阿地は驚いてキョロキョロと周囲を見渡す。それから顔を真っ赤にして言う。


「ああ、お兄ちゃん……失礼しました。ところで私はお兄ちゃんに抱きついていたような気がするんですが……?」


「ああ、とっても暑苦しかったよ」


「お兄ちゃんの添い寝を……! 無駄に……! してしまった! こんな事があっていいはずが無いんです! お兄ちゃんとせっかく一緒に寝たのに何も起きないなんて事があっていいはずが……」


 そこじゃねえだろ、おかしいところをおかしいとおかしいと感じないのかよ。大丈夫なのはそこじゃないんだよ。


 そんな明後日な方向へ考えが飛んでいる阿地を振り払って布団から出た。朝から暑いと思ったらなんでこんな事に……


「ところでなんで布団から出てこないんだ?」


 人の部屋に居座っている妹にそう問いかけると清々しい顔で言う。


「お兄ちゃんの普段寝ているお布団なのでもう少し味わっておきます」


「余計な味を覚えなくていいから……頼むからやめてくれよ」


 なんだコイツ、俺の妹のはずなんだがなー……なんでこんな考えになるんだろうなー……


 俺がそう言うとようやく出てきた阿地は深呼吸してから部屋を出て行った。朝っぱらから騒がしかったなと思いながら部屋を出て朝を食べに行く。その時にふと気が付いたのだが、俺の隣に妹の部屋はある。しかし廊下にはしっかりとLEDライトがついている。


「この状態で部屋を間違えるか? いや、寝ぼけていたならあり得るかもしれないが……うーん……?」


 しばし考慮してから、この件の真相を探っても多分誰も幸せにならないだろうなと思い、疑わしいからと言ってアウト判定するのは良くないと考えにいたり、その事は問い詰めないように決めた。


 それから数日の間、前使っていたスマホに動体検知をするアプリを入れて、カメラを自室のドアの方に向けてから寝ることにした。流石に一回も反応は無かったのでそれ以上考えるのをやめた。

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