043_妹の深夜ルーティン
夜、喉が渇いたのでキッチンに向かうと明かりが点いていた。消し忘れかなと思って入ったところ、キッチンと繋がったリビングで阿地がアニメを見ていた。
「何をやってるんだお前は……」
思わず呆れてそう言ってしまった。
「お兄ちゃんも見ますか? 兄妹モノで不朽の名作ですよ」
「仮にそれが不朽の名作だったとして、どうして夜中にこっそり見てるんだよ」
そう問いかけると、妹は自信を持って言う。
「そりゃあお昼に流すには不適切なシーンがある円盤だからじゃないですか」
いや、確かに円盤なら湯気や光が消えているという話は知っている。でもさあ、そんなものリビングで再生すんなよ。
「なんでリビングで見てるんだよ……部屋で観ればいいだろう?」
「部屋だと画面が小さいじゃないですか。兄妹のラブストーリーは大きい画面で見た方が気持ちいいですから」
「まず兄妹が当たり前のようにラブストーリーしてることをおかしいと思わんのか……」
「兄と妹がいればそうなるのは必然ですよ」
「そうやって読者を選別するんじゃあない……」
「読者って何の事です? メタ発言はやめてもらっていいですか」
俺も流石に言及しすぎたと思ったが、それにしても勝手なものだ。
「妹だからってなんでも与えられるわけじゃないんだからな、まったく……」
自由なヤツだな、自分の妹であることを再認識させられる。妹がいれば人生は退屈しないんだろうな、阿地は自由にもほどがあるよなあ。
「と言うわけでお兄ちゃん一緒に視聴しませんか? 昨日届いたときに予習をして、今に週目なんですが、そろそろベッドシーンの入る頃ですよ、見たくないですか?」
正直少し悩んだ。画面の中にいるのは間違いなく美少女だ。それでも……
「なんかあんまり気分よくないんでやめとくよ。変な気になりそうだ」
少なくとも妹と一緒に見るようなもんじゃないなとは思う。自分で個人的に買って見るならともかくとして、阿地の趣味に合わせて買ったものを俺が見ても理解できないだろう。現に今テレビに映っているのは何かあったであろう後のボロボロの兄妹らしき絵だが、それまでの過程も何も見てないのでなんのこっちゃ分からない。
「程々にしておけよ~」
と雑に言ってら水をコップ一杯飲んで部に帰った。ただ、なんとなく眠れなったのでPCを起動した。やることも無いのでブックマーク一覧を見ると、アニメ系サブスク一つ目に入った。試しに開くとさっきまで阿地こっそり見ていたもの出てくる。
そっとヘッドホンを付けてそのアニメを見ていった。確に光りや湯気は多いし際どいシーンが多すぎる。アイツよくコレを兄と見ようと思ったなと感心してしまうような内容だった。
明け方に見終わる頃には眠気が来たので寝たのだが、その日の夢はヤンデレの妹が出てくるものだった。アニメのせいとはいわないが、寝る前ならハッピーエンドなものを見るに限るなと思った。




