005_当たり障りの無い話
「退屈ですねえ、世俗に患うことが無いと言えば聞こえはいいですけど……」
「よく言う、俺としょっちゅうトラブルを起こすじゃないか」
「それも一つの愛情表現ですよ」
きっぱり言い切る阿地にとやかく言うことはない。そう言うものだと思う。開き直ってはいるものの正直嫌いじゃないからな。
とはいえ、それを言いきるわけにもいかないんだがな……
「お兄ちゃん、何か言いたげですねえ……」
「なんにも言いたくないな、たまには静かな一日に憧れるんだよ」
「私たちのトークで場を繋がないといけないのにどうやって黙れと?」
「だからメタ発言やめろっての。ここは平和な家庭なんだからさ」
「いいじゃないですか、彼○島くらい自宅を広げていきましょうよ!」
「目標がデカすぎる。何年かかるんだよ、どこのサグラダファミリアだ」
「まあまあ、サグラダ・ファミリアはまだ完成していませんけどIT業界のサグラダ・ファミリアは完成したじゃないですか」
「比較対象がおかしすぎる……」
その話題がどこまで伝わるかなんてわかんねーだろ、まったく、具体的に発言しなければセーフだと思うなよ。
「細かいことはいいんですよ! お兄ちゃんが私に構ってくれれば他のことは割とどうでもいいんですよ」
開き直ったな……まあ確かにそうなんだけどさあ……
「お兄ちゃんはいい加減覚悟を決めましょうよ、お兄ちゃんの恋人になり得るのは私しか居ないんですよ」
「選択肢ぃ……」
そんな理不尽な会話をしながら阿地との会話は終わった。トラブルを食いながら生きるような生き方はしたくないならなんてことを思ってしまう……そんな日だ。




