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妹がラインを超えようと必死な件  作者: にとろ


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040.11_妹とゲーム勝負

「お兄ちゃん! 退屈なのでゲームをしませんか?」


「また唐突だな……なんのゲームをするんだ?」


「『激闘クラッシュシスターズ』です!」


 アレかあ……息の長いシリーズだよな。そう言えば阿地が持ってきたゲーム機が二つテーブルに置いてあるな……ん? 二つ……?


「なあ、なんでゲームハードが二つあるんだ?」


 するとマイシスターは悲しい顔をして言う。


「ゲーム機が二つあると二人で遊べると思ったんですよ……友達はみんな持っていましてね」


 なんだか悲しい事実を聞いたような気がするので誘いに乗ってやることにしよう。ゲーム機があるだけで人を呼べる時代じゃないだろうに。まあ阿地も失敗に気づいたんだな、仕方ないことだ。


「その話はやめてさっさとゲームをしようか。ルールはどうする?」


「ステージはランダム、キャラも何であり、アイテムありで」


「なかなかの運ゲーだな……」


 実力で勝負するためにアイテム無しギミック無しのステージを好む人もいる中、阿地はランダム要素の強い勝負をしたいらしい。俺の実力からすればランダム要素があっても無くても阿地に勝てるとは思えないのでハンデのつもりだろうか。引きが良ければ勝てるだろう。


「じゃ、始めましょうか」


 その言葉と共に俺と阿地のゲームがWiFiで繋がって対戦モードになった。さて、どのキャラを使おうかな……


 火力優先か、耐久優先か、そもそも本気で勝ちにいくのか、悩みどころだがバランスのいいキャラを使えば良いか。


 そう考えて赤い服の美少女キャラを選んだ。さて、阿地のヤツは何を出してくるかな……


 キャラ選択が終わり、ステージがランダムで移っているところで俺は思わず声を出した。


「銀騎士かぁ……本気で勝ちに来たな」


 妹の選んだキャラは所謂厨キャラとして有名なスペックの高いキャラだ。ローカルルール次第では使用禁止されるくらいのバランスブレイカーなのだが平気で選んで来やがった。


 これは負けられないぞと勝負をすることになる。


「ふふふ……お兄ちゃんを蹂躙するのは快感がありますからね、覚悟をしてください!」


「そんな理由でキャラ選択したかよ……」


 うんざりしながら勝負になったのだが、ハッキリ言って戦いにならない。阿地のヤツが強すぎる。厨キャラに本人がかなり練習をしたのか強力なムーブをするので手が出ない。アイテムが上手く出ることを祈ったのだが、強力なアイテムが出てもアイツは軽くかわして攻撃を打ち込んでくる。アイテムがあろうとなかろうと関係無い実力差を見せつけられた。


「なあ、手加減って言葉は無いのか?」


「お兄ちゃんが私の言うことをなんでも聞いてくれるなら一試合くらい花を持たせてあげてもいいですよ?」


 ゲームの一勝に対する代償が大きすぎる。そんなもん勝てっこないだろ。とまあそんなわけで結局勝つことは出来なかった。


 別に妹相手にゲームで負けるのはいいのだが、勝つたびに阿地のヤツが気持ちの悪い笑みを浮かべてこちらを見てくるのは嫌だった。どうも本人の征服欲が満たされるのか、こちらを見てニヤけるのはあまりいい気のするものではない。


 そんなことを何試合かしながら、結局一勝も出来ずゲームは終わった。どこぞのカードゲームみたいに命を賭けた勝負をしていたら命がいくつあっても足りない勝負だったと思う。そんな理不尽な勝負があったのだった。

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