040.10_妹とネトゲをプレイ
「お兄ちゃん、ネトゲをしましょう!」
「いきなりだな……と言うか俺はネトゲをしていないんだが、ソシャゲのことか?」
そう言ったところ阿地ははてなマークを頭に浮かべたような顔で言う。
「いや、普通にやってますよね? 某大作RPGのナンバリングですけど」
何故知っている!? バレるような言動をしただろうか? いや、そんなことは……
「ゴミ出しの時にプリペイドカードが混ざっていたらそりゃ分かりますって」
ああ、そうだった。料金の支払いにプリカを使っていたんだった。そりゃバレる、自分の詰めが随分と甘かったようだ。
「兄のゴミをあんまり調べないでほしいんだが……まあいいか、ところでお前ネトゲやってなかったよな? あのゲーム最低限のレベリングしないと面白くないぞ」
大体のネトゲはそんなものだ、ソシャゲはともかくとしてな。
「フフフ、そのためにもうプリカは買っているのでお兄ちゃんにレベリングを手伝おうと思っていただきまして」
「別にいいけどそんなプレイングをして楽しいか? いや、楽しいなら文句はないんだが……」
パワーレベリングを否定はしないが、あのゲームはレベル差を考慮されるので効率がそんなに良くないぞ。
ただまあ、本人が楽しければそれでいいんじゃないかという気もする。実際ゲームの成績なんて自己満足だしな。チートでもしなけりゃ本人が楽しいかどうかだけでしかない。
「お兄ちゃんとゲームが出来れば楽しいんですよ。深く考えたら負けです」
「自分でそれ言っちゃうのか……本当にそれでいいならとやかく言わないけどな」
「ちなみに今はレベル1です。お兄ちゃんがカンストまであげているのは知っていますが、その方がお兄ちゃんのレベルまで育成を手伝ってもらえる期間が長いと思いまして」
「正気か? そんな理由でカンストまで頑張るのか? どう考えても苦行だぞ」
ゲームをプレイしつつ言うのもなんだが、レベリングを俺に追いつくまで頑張るのは相当キツいと思うぞ。それでいいというなら何も言えんがなあ……
とまあそんなわけでレベリングをすることになったのだが……
「何で俺の部屋にいるの?」
「ボイスチャットより直接話した方が早いじゃないですか?」
「いや、そりゃそうだが、ノートでやるのか? いくら最新のゲーム出ないにしても結構スペックが必要だった気がするんだが?」
「大丈夫です、ゲーミングノートなのでGPUも載っていますし、ベンチマークで問題無いのは確認済みです」
「よくまあ俺とプレイするためにそんなものまで揃えたなあ……」
よくやるよと思いながらも初めの都市に集合して阿地のレベル上げを手助けしたのだが……
「なあ、このゲーム初見なんだよな?」
そう疑いたくなる程度には阿地のプレイングは上手かった。というかどうして即死ギミックに対応できるんだ? 意味が分からない。阿地曰く『怪しいものが出たから』と言っていたが、対処が一々的確なので少し怖い。
そうして一日である程度レベルが上がったわけだが、なんとなく阿地は『特殊能力でも持っているんじゃないか』と疑いたくなる程度には上手だった。本当に未プレイなら恐ろしい勘をしていると妹に感心してしまった。




