157_妹とサ終の残念会
「お兄ちゃん、私は思うのですよ! ソシャゲはサービス終了するときにシナリオが完結する義務があると!」
なんかまた自分の勝手な主張を始めたな。すごくどうでもいいぞ。
「どうしたんだよ?」
いかにも聞いて欲しそうな空気を出していたので仕方なく質問した。
「昨日プレイしていた妹ヒロインのいるソシャゲがサービス終了を発表したんです! まだ兄妹がくっついてないところでシナリオの追加は無いとまで表示されたんです!」
酷くキレておられるが、ソシャゲなんてそんなもんだろと思う。そこまで運営に厚い信頼を寄せられるゲームの方が珍しいだろ。
「まあ、ストアのお国柄とかもあるんだろ。そういう描写は宗教でアウトな国も多いし、サ終を決めたゲームでそんなリスク取りたかないんじゃないか?」
言論の自由は認めるがな、日本製のOSとストアじゃないんだからそこまで自由には出来ないだろう。世の中うるさいところはうるさいからな。
「え!? 兄妹モノが嫌いな国なんているんですか!? 全人類が好きなジャンルだと思ってたんですが?」
「ギャルゲー界隈だけで考えても主流じゃないだろ。そりゃ好きな人もいるだろうけど、人は選ぶだろ。むしろなんてそんなジャンルが誰でも大好きだなんて思ったんだよ……」
万人受けとは遠いと思うのだが、本人はいたって真面目に言っているのが怖いところだ。正気の沙汰とは思えない。
「うぅ……もう少しでメインシナリオが完結しそうだったのに……こんな時にサ終しなくてもいいじゃないですか」
「諦めろ、次から買いきりのゲームを選んだらどうだ」
その辺が現実的な妥協だろう。好きなジャンルのゲームが終わるのが悲しいのは分かるが、そういうことはどうやったって起きるものだ。
「はぁ……大手はこういうゲームあんまり出さないから期待してたんですがねえ……」
ニッチなジャンルのゲームがサ終する悲しさは分からんでもない。俺の好きなジャンルとは違うがな。
「まあ……なんだ、コーラでも買ってくるから残念会でもするか? 愚痴くらいは聞いてやるぞ?」
「お兄ちゃんが聞いてくれるんですか! 残念ですが、お兄ちゃんが私の思いを好きなだけ聞いてくれるなら悪くないですね!」
期限が変わったというか、手のひらクルックルというか、そんなことで納得してくれるならそれもいいだろ。
そんなわけで、コーラを買ってきたのだが、買うときに阿地が『二リットルのボトルがありますよ! これ何本か買いましょう』と言ってきた。そんな飲めるかとか、いくら売ってるからって二リットルは多くないかと言ったのだが『このくらい必要になる話になりますよ?』というので仕方なくそれを買って帰ったのだが……
その晩本当に眠気と話の長さに耐えられないほどに阿地の熱い思いを聞かされることになったのだった。




