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妹がラインを超えようと必死な件  作者: にとろ


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152_妹とプレイスタイルとレスバトル

 今日は平和な夜、そう、平和な夜なんだ。例え隣の部屋から爆音と怒声が響いていたとしても平和な夜なんだ。


「クソが! 退けって言ってんでしょ」


 大体何をしているかは予想が付く。今日の昼食時、床に一枚のカードが落ちていた。某ゲーム配信サービスのプリペイドカードだ。最近FPSが流行ってるからやって見ようとでも思ったのだろう。出来ればもう少しお行儀よくプレイしてくれないかな。


 つーか、そもそもボイチャありのゲームをスピーカーでプレイすんなよ。ボイチャするならゲームを買う前にヘッドセットでも買えっての、まさかのスピーカーと適当なマイクでプレイしてんのか。


 とはいえ、違法なことをしているわけでもないし、文句を付けるのはお門違いだとは思うのだが、うるさいんだよなあ……何でそんなことやってんだか……


 そんなことを考えながらPCに向かって、ヘッドホンをかけて音楽を再生する。少々やかましいが、平和な夜だって言えば平和な夜なんだよ。


 そんなことを考えていると、チャットが飛んできた。確かにサーバは立てているが、ネトゲも起動していないのにDMが届くとは珍しい。


『オニイチャン、キョウリョク、モトム』


 何故電報風なのかはさておき、アイツは俺をそんな対戦に引きずり込みたいのかよ……というか、阿地のランクマッチでもするのか? 阿地のランクすら知らないので勝負のしようがないと思うのだが?


 ご丁寧にルームナンバーがソレからすぐ送られてきた。フレンド対戦をしたいということらしい。チームに入れってことか、うーん……暇だしまあいいか。どうせ参加しなくたって隣がやかましいのは変わんないし、だったら参戦してもいいだろ。


 俺はゲームを起動して、フレンドマッチを選び、送られてきたルームナンバーを入力した。阿地はわいい系のアバターを使っていて、キャッキャしているような見た目だ、隣で聞こてきた聞くに堪ない罵声の後ではソレを喜べないような気する。


 そんな時、DMが届いた。


「お兄ちゃん、それじゃ今回は私はスナイパーやるんで突撃部隊よろしく」


 そう書かれていたのでその通りに体力のあるキャラを選択した。阿地はスナイパーか、私怨妬くっぽいアバター選んでんのにな……


 見た目がそうなだけであって、どんなプレイを使用が自由ではあるけどな。


 そうして二対二のチーム戦が始まった。阿地は開始してすぐ降下の指示を出して建物の上に着地した。ちょうど狙撃するにはいい位置だ。


「よし! ライフルゲット!」


 ライフルを早速拾って匍匐姿勢になり狙撃準備を始めた。俺はその辺にあったハンドガンとショットガンを拾って近接戦の準備をする。


 そうして始まった戦いだったが、あっさりと決着は付いた。あっさりとはしていたのだが……


 俺が建物から探索に出ようとしたときだ、いきなりダメージが入った。どこに敵がいるんだ? 混乱しつつ周囲を警戒するのだが、何処にも敵の姿は見えない。とりあえずバリアが割れたので、回復まで物陰に隠れた。


 そこへ運悪く敵がやって来た。血痕を残して置いたのがまずかった、揃ってこちらへやって来る。


 パシュ、パシュッ


 静かな音が二回して、見事に相手チームはヘッドショットを食らってその勝負は終わった。


 ボイチャで『お兄ちゃん、危ないところでしたね』と言ってきたので俺は言う。


「始めに売ったのお前だろ? ゲームでフレンドリーファイアが有効だからって人を囮に使うなよ……キルデス数に関わるだろうが」


「はて? 何の事でしょう? 私は卑劣な敵に狙撃されているお兄ちゃんを華麗に助けただけですよ」


「相手、ハンドガンと金属バットしかもってなかったぞ、そんな装備でどうやって狙撃するんだよ」


 いくらエイム力があろうと、ハンドガンで狙撃は無理だ。バットに至っては言わずもがなだろう。


「ま、まあ勝ったんだからいいじゃないですか、どうです? もう一戦」


 俺はテキストで『だからレスバになるんだよ』と答えを返して退出した。別にレスバが悪いとは言わないが、迷惑のかかるプレイングをするんじゃない。俺だったからセーフだが、あのプレイスタイルをランクマッチの野良でやったら論争になるに決まってる。そりゃ勝てるのかもしれないけどさあ……


 なんだか釈然としないまま、俺はゲームを終了し、余は今度こそ静かに更けていったのだった。

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