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妹がラインを超えようと必死な件  作者: にとろ


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140_妹と寝落ちと平和な朝

 今朝は朝から時間がある。のんびり出来る貴重な時間だ。いつものトラブルメーカーはまだ起きていない。さすがにこの状態ならトラブルが舞い込むこともないだろう……フラグか?


 朝、静かにお茶を飲んでいるのだが、驚くほどの静かさだ。こんな事があっていいのだろうか? 順調すぎやしないだろうか? いや、気にしているからそう思えるだけで、今はごく普通の朝のはずだ。


 実際、昼前までは平和に過ごしていた。イヤホンで音楽を聴いたり本を読んだりと、充実した朝を過ごしていた……昼前までは……


「お兄ちゃん! 寝落ちしたんでスマホを貸してください! アーカイブ視聴のサブスク入ってましたよね?」


 どうやら平和だったのは寝ていたからで、コイツが寝ていたのはどうやら後に起きる事件のフラグだったらしい。頼むからこんなフラグ回収はやめて欲しい。


「いや、サブスクは入ってるけどさ、寝過ごしたんなら素直に諦めるか課金したら?」


「嫌です! 課金は嫌なのでお兄ちゃんの端末を貸してください!」


 しつこくそう言ってくるので、仕方なく貸すための端末を貸した。そちらには余計なアプリは入っておらず、阿地が触っても問題無い内容になっている。


 どうかとは思うんだが、静かなのを崩されたくはないし、端末を貸すと平和な時間が手に入るのならそれもやむなし。


 阿地にスマホを手渡すと、大喜びで昨日の配信アーカイブを見始めた。ファンなら金を払えばいいのにという、身も蓋もない事を言っても仕方ないだろう。コイツはそんなヤツだ。


「いやー今回も最高の回ですね! しかもお兄ちゃんのスマホで見られるんだから寝過ごすのも悪い事じゃないですねー」


 どうやら見終わった後の感想がそれだそうだ。余計な知恵を付けてしまったのかと不安になってくるな。


 平穏な日常は昨日のアーカイブが一時間だったので残りは後三十分ほどだろうか、残りの時間でスマホのメモ整理でもしておくか。


 いろいろとまとめて書き留めているので、整理をサボるとすぐにあちこちに散らばって面倒だ。


 アプリを起動してファイルの整理を始め、大体をSDカードにコピーして、バックアップは一応終わりだ。


「お兄ちゃん、ありがとうございます!」


 ちょうど作業が終わると同時に阿地が話しかけてきた。間に合ってくれてよかったよ。


 それからしばし、阿地に今回のストリーミングがいかに良回だったかを語られた。俺は無我の境地で頷きながら味のしないコーヒーを飲むことになった。なんで感想を語る時間が本編を超えるんだろうな、と最後の方はくだらない疑問を持ちながら妹に話を合わせる日になったのだった。

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