132_妹と紹介特典
「お兄ちゃん、今やってるソシャゲで紹介キャンペーンやってるので登録だけしてくれませんか?」
妹がそんなことを言ってきたので確認をしておく。
「登録するだけならいいぞ、メルマガとかが届くようなアプリじゃないな? 入れて招待コード入れたら消してもいいヤツなんだろ?」
そんなことは分かっているとばかりに力強く阿地は頷いた。流石に毎日メルマガを送ってくるようなサービスに登録させられるとしんどいからな。
「分かったよ、じゃあ入れるからアプリ名を教えてくれ」
俺は阿地から聞いたアプリ名でストアを検索してインストールする。驚きの軽さでダウンロードがすぐに終わってしまい、インストールが秒で終わるような早さだったので大丈夫かと不安になった。
「終わりましたか? じゃあメニューから招待コードで『○○○○』と入れておいてください、私とお兄ちゃんにガチャ石が入ります」
俺はガチャを引く気は無いんだが……とは思いつつも言われたとおりのコードを入力してゲームを始めると、SFのようなストーリーが始まって、少しタップするとすぐにホームが出た。ストーリーは記憶に残らないようなよくあるものだった。
『お兄ちゃん! それではガチャを引きましょう!』
メタ発言はおいといてだ……
「ナビゲーターが妹なのか?」
阿地は嬉しそうに答える。
「そうですよ! しかもガチャで出てくるヒロイン達は全員戦闘でしか出てきません! 基本兄妹と敵しか出てこないんですよ! 素晴らしいゲームですよね?」
「ガチャを引いてまで手に入れたキャラのストーリーも無いのは手抜きなんじゃ……」
「需要と供給って知ってますか? 妹がモブヒロイン達をこき使うのが楽しいって需要があるんですよ!」
「需要がピンポイント過ぎないか? 熱心な妹キャラ好きでないとサービスが続かないと思うんだが……」
よく続いているなと思うゲームだ。ヒロインが妹の身って割り切ってんな……」
とはいえ初回十連を回してみた。よくあるゲームのようにSSRがいったい確定するらしい。
引いてみるとイラストは割と可愛いキャラが出てきた、好みだなと思ったのだがタップするとテキストが流れていく……え?
「なあ、このゲームってボイス無いのか?」
俺はそう訊ねると、阿地は何を言っているんだという顔をする。
「ちゃんと妹には付いてたでしょう?」
「ガチャのレアキャラとかは……」
「モブキャラにボイスなど贅沢ですから不要です!」
断言されてしまった。本当にこのゲームよく続いているな。ある意味でスゲーなと重うゲームだよ。
それからせっかくなので紹介特典で付いた石でガチャを回してSSRが運良く出たのだが、パートボイスすら無いというのはすこし悲しかった。
ソレはともかく気になることがある。
「俺、お前がそんなにプレイしているところを見た覚えが無いんだが、いつこのゲームやってるんだ?」
俺のその問いかけに『私はエンドコンテンツもコンプしましたからログボをもらっているだけなので、起きたときに起動させるだけですね』と自慢気に言っていた。よくラストまでプレイしたものだと呆れつつ、このゲームエンドコンテンツが作られるくらいには人気なんだなと、世界の広さを思い知ったのだった。




