126_妹は兄に合わせたい
夜、金曜の夜ということでお茶を飲みながらスマホを弄っていた。退屈なのでSNSを見ながら明日が休みなことに感謝をしつつくだらない投稿を眺めている、至高の贅沢だなと思いながらぼんやり見ていた。
「あれ? お兄ちゃん、まだ起きてたんですか?」
阿地がパジャマで通りがかったとき、リビングでのんびりしている俺を見つけたようだ。
「ああ、明日は休みだから暇だしな」
いろいろと勉強しろとは言われそうだが、このくらいは許してもらえると思っている。
「ご一緒してもいいですかね?」
「ああ、明日用事が入ってないなら好きにしていいんじゃないか」
俺がそう言うと阿地はスマホを出して向かいに座った。そこでピコンと音が鳴った、メッセージが届いた音だが、開いてみると阿地のスマホからだった。
「すぐ前にいるんだから話せよ……」
「いいじゃないですか、お兄ちゃんの記憶に残るならこれでもいいんですよ、恥ずかしいことだって文字なら送れますからね」
内容は俺の事が好きだと言うことを延々と書き連ねてあった。暇だなあと思いながらそれに既読を付けた。
「お兄ちゃん、返事はくれないんですか?」
「はいはい、わざわざ確認しなくても好きだから気にすんな」
そう言うと不満そうな顔をするので『何か気に食わなかったか?』と言うとグチグチと返ってきた。
「メッセージで送ったんだからメッセージで返してくださいよ、お兄ちゃんからのメッセージなら何度見返したって良いものなんですから、保存が出来るモノで返してくださいよ」
「いつでも答えてやるのにメッセージで残す必要があるのかよ? そういうのは死亡フラグだろうに」
「いやいや、それはお兄ちゃんが私に再び会うために生き返るフラグだと思いますよ? 『帰ってくるって言ったろ?』とか言ってお兄ちゃんなら返ってきますって」
くだらない信頼感があるなあ。というか戦場に行くんでもないのに何処から返ってくる想定なんだろうな……
「お兄ちゃん、眠いんで夜更かしは程々にしておいてくださいね」
「いや、俺が夜更かしするのとお前が眠いのは関係無くないか?」
すると妹は憤慨して言う。
「お兄ちゃんのことはしっかりと知っていたいんですよ、だからお兄ちゃんは私に生活リズムを合わせて欲しいんですよ」
「妹様に会わせて生活しろってか……大変なことを平気で言うな……」
「妹ですから」
なにが妹ですから、なのか分からないが、自分が世界の中心だと思っているかのような発言に苦笑した。
「はいはい、分かったから寝ような、夜更かしが悪いとは言わんが、無理して起きてるべきじゃないよ」
「はぁい……」
眠そうな妹を突き合わせるのも悪いので、俺は阿地を部屋まで送って自分の部屋に戻った。もうしばらくスマホを弄ろうかと考えて、何をやったから問い詰められても面倒だなと思いそのまま寝ることにした。




