119_妹と夜食とギャルゲ
「あー……お兄ちゃんとギャルゲがしたいなー……」
「くだらない妄想をしてないで宿題でもやれ」
いったい何言ってんだ? というか、お前がやるのは自由だが、何故妹のギャルゲ実況を見せられなければならないのか、意味が分からん。
「いいじゃないですか、ちゃんと実妹モノですから!」
「…………一応聞いておくが全年齢版だよな……?」
「ソーデスヨ、モチロンジャナイデスカ」
わー白々しいなあ……そんな危ないゲームに付き合えるわけ無いだろ。常識ってもんが世の中にはあるんだよ、理不尽だとしてもそれに従わないとならないと言うことを理解してくれ、人間は社会性のある動物なんだよ。
倫理観のないヤツはこれだから困る……喧嘩を売られたらどっちかが滅ぶまで戦うようなヤツだ。妹だが絶対に敵に回したくない相手と言える、怖い。
「じゃあお兄ちゃん、ちょっとお夜食を作るので食べてくれませんか?」
現在は夕食を食べ、後は寝るかという時間だ。今から夜食というのは少々行儀が悪いかもしれないが……
「それは別に構わないが……」
それだけ言うと、聞くが早いか阿地は急いで冷凍庫から冷凍食品の大袋を取り出した、なんか不安な予感がするんだが、不味いことを言ったような気がする。
阿地がレンジに炒飯の大袋をひっくり返し丼に入れて温めだした。さらに中華鍋に大量の油を入れて冷凍のトンカツを揚げ始める。どう考えても夜食の亮土は思えないんだが……
少しすると加熱が終わった料理が大量にテーブルに置かれた。
「じゃあお兄ちゃん、全部食べてくださいね!」
にっこりそう言う阿地に、目の前の料理の量を見てドン引きしていただろう。ドカ食いと呼べる量がテーブルの上に並んでいる、食べると言った手前それを消費するしかない。
食べていると『お兄ちゃん大好き!』という声が聞こえてきた。阿地の声では無い、阿地がだらしない笑顔で今のテレビを使ってプレイしているゲームのボイスだ。
「なあ……気が散るんだが……?」
「いいじゃないですか、お兄ちゃんが夜食を食べているときに、偶然私がゲームをそこでプレイしているだけですよ、なんの不思議も無いじゃないですか」
「三店方式並に無理のあるいいわけだと思うぞ」
その偶然近くに景品の買い取り所がある、みたいな言い訳が通ると思ってんのかよ……
しかし阿地は気にすることなくルートを進めていった、コイツに話は通じないなと思いながら、食事を無理矢理進めていった。
阿地がどうやって量を調整したのかは分からない。ただ、ゲームがちょうど妹エンドのクレジット画面になったところで食べ終わった。この絶妙な量の調整を、もう少し役に立つことに使えないのだろうかと思う。
そうして夕食は終わり、阿地も妹ルートをクリアして満足したのか電源を切っていた。
「ふぅ……お兄ちゃん、やはり妹ヒロインはいいですねえ!」
「そう思うのは自由だが、俺をそんな個人の思想に付き合わせるために無茶をしないでくれ……」
俺はそう言って食事を終えた。今度から妹の提案には慎重になろうとかんがえたのだが、多分次に頼み込まれたときも何とか丸め込まれるのだろうという確信めいたものも会ったのだった。




