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妹がラインを超えようと必死な件  作者: にとろ


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101_妹は全てを知りたい

「お兄ちゃん、あ゛づい゛です! エアコンをもう三度下げることを所望します」


「加減を考えろよ、今もかなり下げてんのにここから三度ってもう寒いレベルだぞ」


 相変わらず好き放題言うやつだ。言うだけタダとでも思っているんだろう。本当にそれでいいのか聞いてみたいものだ。


「お兄ちゃんは暑くないんですか? こんな熱波に文明の利器をフル活用しないのはもう罪ですよ」


「文明の利器に頼り過ぎるのもどうかと思うぞ」


「頼れるものは何でも使えってのが私の座右のなんですよ……」


 堕落してるなあと思いながら薄着の妹を見る。この格好で外に出ないだけの理性はあるのが幸いだろうか。


 阿地には自分の部屋にもエアコンがあったはずなのだが、自室に帰らずリビングでのエアコンにこだわっているあたり勝手だなあと思う。


「限度があんだろ……水と電気はタダじゃないんだぞ?」


「ライフラインのインフラがそこまで凶悪な値上げしないでしょ。大丈夫ですって」


 奔放な考え方をしてるなあ……それでいいと思ってんのか?


「お兄ちゃん、この前スマホの充電気かいましたよね? ちょっと貸してください」


 ああ、そう言えばセールをやってたから安さにつられて買ったんだった……ん?


「なあ、俺は通販の荷物は自分の部屋で開封してるはずなんだが……何で俺が買ったもの知ってんの?」


「え……ええっと……妹が兄の全てを知っているのは当然の義務ですから!」


 苦しいわけを持ち出してきた。本気でそれでいいと思っているんだろうか? 無茶なことを平気で言っちゃうヤツなんだな。それにしても、今日は部屋に戻ったら念のため隠しカメラが無いか確認しておこう……


「分かったよ、充電器は取ってくる。リビングに置いとくかラスキに使ってくれ」


 そう言って部屋に戻り、高出力の充電器を持って帰ってきてから阿地にそれを差し出した。満足げにそれを受け取り、ケーブルをさしてニコニコしていた。


「充電器くらい自分で買えよ……」


 そう愚痴りたくはなってしまう。いくら本体に付属してこないのが主流になったにしても自分で一台くらい持っておいてもいいだろうに。


 そう考えてから、よく考えると阿地は時々訳のわからない買物をしているので、きっとそちらの方が優先度が高いのだろう。俺を監視している疑惑はとも書く金が無いんだろうな。


「うーん……気持ちいいですねえ、お兄ちゃん、スマホの充電が終わったら起こしてください」


 そう言って阿地はソファで横になって寝始めた。薄着で寒くないのかと思ったりとか、平気でその格好で寝られるあたりいい根性をしている。タオルケットを阿地に掛けてやるときに『ケチ……』と聞こえたのはきっと寝言だと信じたいものだ。

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