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第九十九話 いいお返し

※本日二話目です!

 少し更新が遅くなり、申し訳ございません。

 学年末のテストも終わり、三月になった。ある日、多田が来て言った。

「ホワイトデー考えたのか?」

「あっ。」

「まさか、忘れてたのか?」

「いや、忘れては、無かったけど……」

「けど?」

「考えてなかった。」

「ほぼ同じだろ。で、どうするんだ?」

「う〜ん。取りあえず作ってみようか。」

「そんなんでいけるのか?」

「何もしないよりは、良いかなって。」

「分かった。いつやるんだ?」

「週末。僕の家で。」

「部活午前だから、昼からで。」

「分かった。ある程度の材料、用意しておくよ。」


 そして、週末になった。

「悠太〜。すまん、少し遅れた。」

「はい。どうぞ。」

「お邪魔します。すげ〜」

 用意した食材を見て、多田が言った。

「凄くは無いだろ。で、何作ろうか。」

「やっぱり、チョコレートか?」

「そうだな。でも、何かひと工夫したい気もする。」

「お前……そんな事、言うのか珍しい。」

「良いだろ。」

「確かに、お返しは、気持ちが大事だからな。」

「気持ちか……」

「あ!何か、返すお菓子によって意味があった気がするから、それ調べてみるのは、どう?」

「良いかも。多田のくせに珍しく、良い案だな。」

「なんだよ、珍しくって。」

「まあ、調べるか。」

 二人で調べてみて、顔を見合わせた。

「何か恥ずかしくない?」

 僕がそう聞くと多田も言った。

「参考程度にしようか。」

「取りあえずチョコレート作るか。」

「そうだな。やるか。」


 

 その後、結構な時間を掛けて、何とか形にした。

「疲れた〜」

「一回、休憩するか。」

 座ると、多田が聞いてきた。

「悠太。あの二人、好きなのか?」

「は?いきなり、何言ってるんだ。」

「いや、いつも一緒にいるから……」

「二人とも、友達以上ではあるし、大切な存在なんだけど……それが好きなのかって聞かれたら分からない。」

「なるほど。お前らしいな。」

「好きって言うほどの自信がないから。」

「二人とも可愛いもんな、良い子だし。ゆっくりしてると、取られるぞ。」

 多田も、まさか……

「もしかして……」

「違うよ。俺は、狙ってないからな?」

「多田、なんで。」

「顔見たら、聞きそうなことくらい分かるわ。」

 余計な心配だった。

「怖いぞ。」

「なに、安心した顔してるんだよ。」

「別にしてないだろ。」

 多田は、ニヤニヤしてる。

「良いお返し、しような。」

「何か腑に落ちないけど、それはそうだな。」

「で、あともう一つ作るのか?」

「そうだな。時間あるし、頑張るか。」

「何作るんだ?」

「ラスクは、どうだ。いろんな味に出来るし。」

「良いな。それ。」

「じゃあ、やるか。」

 チョコレートよりは、簡単に出来たが、時間は掛かった。出来たものを、ラッピングして、準備を終えた。


「余ったの食べるか。」

「よっしゃ!食っていいのか?」

「うん。出来栄えも兼ねてな。」

「いただきます。」

「いただきます。」

 多田が食べる。

「美味い。普通に無限に食えるぞ。」

「何だよその感想。」

 僕も食べる。

「美味い。良い味だ。チョコはほのかに甘くて、ラスクは、いろんな味があって、はっきりしてて良いな。」

「上手いな食リポ。」

「多田が下手すぎるんだよ。」

「上手いもんは上手いから良いんだよ。」

「そういうのも大事だな。」

「そうだろ。」

「あとは、渡すだけか。」

「緊張して落とすなよ、悠太。」

「多田も三人に渡すのか。」

「そうだな。お返しだから。」

「その中に、好きな子、居たりするのか?」

「それは、内緒だ。」

「教えてくれよ。」

「渡すの頑張れよ。」

 強引に誤魔化された。


 ホワイトデーの日。昼休み、三人の時に手渡す事にした。僕は、一度、心の中で深呼吸した。

「ひまり。ありがとう。これからもよろしく。」

「あ、ありがと。」

「りお。ありがとう。これからもよろしく。」

「作ったの?」

「うん。」

「食べるの楽しみ。ありがとう。」

「ねぇ、ゆうくん、今食べてもいい?」

 ひまりが聞いてきた。

「今!?」

 これは、まずい。公開処刑かよ。

「いただきます。」

「もう食べてる?」

「チョコ、美味しい。」

「私も食べよ。いただきます。」

 りおも食べた。

「ほんとだ美味しい。よく出来てる。」

 りおにそう言ってもらえて安心した。

「ラスク可愛い〜!写真撮ろ!」

「ほんとだ、いろんなのあるね。」

「てか、写真取ろ。みんなで。」

 ひまりがそう言って、三人で写真を撮った。

「ゆうくん、ありがと。」

 近くで見る、ひまりの笑顔は、反則だった。

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