第百話 友達以上
久しぶりの更新になりました。
楽しみにしていた方、申し訳ございませんでした。
皆様のおかげで今日、第百話を迎えました!
そして、第百話以降も更新することにしました。
これからも『あいまいであやふやな僕はそれでも選びたい』をよろしくお願いします。
今日は、一年生最後の日。いつもの教室に入ると、少し寂しい空気を感じた。
「お、ゆうくん!おはよ!」
ひまりは、いつも通りみたいだ。
「おはよう。」
「今日でこのクラスも最後か〜」
「そうだな。教室もさっぱりしたな。」
「やっぱり、私……寂しいな。」
「寂しいけどまた来年もあるから。」
「そうだね。」
そんな話をしているとりおも来た。
「二人ともおはよう。」
「おはよう!りっちゃん!」
「おはよう。」
「二人とも何話してたの?」
「今日でこのクラスも終わりだから寂しいねって。」
「確かに……このクラス楽しかったね。」
「うん。みんなと出会えて良かった。」
ひまりの言葉を聞いて、このクラスじゃなかったら今も一人だったのだろうか……本当にこのクラスで、みんなと出会えて僕も良かった。
学校が終わり、廊下で多田に会った。
「多田、今日も部活あるのか?」
「そうだよ……まったく今日くらい休ませてくれよ。」
「大変だな。」
「あ、そうだ!」
「何だ?」
「チョコ好評だったぞ。ありがとうな。」
「僕の方こそありがとう。作るの楽しかった。」
「上手く渡せたのか?」
「うん。」
「たまには、やるじゃねえか。」
「何だよ、たまには、って。」
「またな。来年は、同じクラスなろうな!」
「うん。」
下校前にひまりに誘われて、ファミレスでりおとひまりと三人でおつかれ会する事になった。
「ゆうくん!こっち!」
ひまりを見つけた。りおも座っていた。
「ごめん。遅れちゃって。」
「全然、うちらもさっき来たところだから。」
「それは、良かった。」
ひまりがグラスを持って言った。
「てことで、一年間お疲れ〜!かんぱ~い!」
「一年間、あっという間だったね。」
りおがそう言った。僕もその通りだと思う。
「やっぱり寂しいな。」
「ひまり、大丈夫だって、お別れじゃないんだから。」
「でも、ゆうくんとクラス離れたら……」
「学校は一緒だし、いつでも会えるだろ。」
そう言うと、ひまりはニコリと笑った。
「絶対、会いに行くから!」
「うん。分かった。」
「なら、昼休みは一緒にご飯食べない?そしたら、絶対会えるよ。ね、ひまり?」
りおがそう提案した。
「それやろう!ゆうくん良いよね?」
僕もあの時間、居心地良かったし、楽しみでもあったからな。りおとひまりがそう言うなら断る理由はないな。
「うん。やろう。」
「あ!でも、待って!」
「ひまり何かあったのか?」
僕が聞くと、ひまりは何か企んでいる顔になった。ひまりがりおに耳打ちで何か言った。それを聞いた、りおは目を見開いた。
「名案だね。ひまり。」
「そうでしょ。さすが、私。」
「その名案って言うのは?」
「それは、秘密。」
「ひまりの秘密ほど怖いものはないんだが。」
「大丈夫。安心していいから。」
「まったく。分かったよ。」
「ね、ゆうくん?」
「まだ秘密があるのか?」
「ないよ。そんな事より、彩葉ちゃんはどうなの?」
ひまりがソワソワしながら聞いてきた。
「そういえば何も言ってきてないな……」
「え!?」
「もう発表されてるんじゃないの?」
りおが冷静にそう言うと、ひまりは、更に驚いた。
「え!?!?」
「普通、連絡すると思うけど。」
りおは、不思議そうに言った。スマホを慌てて確認しても彩葉からの連絡は、正月が最後だった。
「聞いてみるか……」
「聞くの?大丈夫?」
りおが心配そうに聞いてきた。
「彩葉なら受かってるよ。」
「そう……なら良いと思うけど。」
彩葉に連絡をした。
しばらくして、電話が来た。
「ゆうくん!彩葉ちゃんから電話!」
電話に出てから席から少し離れた。
「彩葉!試験どうだったんだ?」
「え?言ってなかったっけ。」
「言ってないよ。」
「あ、ほんとだ。送れてなかった。」
「で、どうだったんだ?」
「受かったよ。春休みには、そっちに行くからね。」
「そうか、それは良かった。安心だよ。」
「ごめんね。それより、ゆうにい……」
「何だ?」
「今、近くに女の子いるでしょ?」
「なんでそう思うんだ。」
「いや……電話出た時、声したから。」
「今、外にいるから。一人、うん一人でね。」
「はぁ〜隠せてないよ。どんな子かは、何となく分かるけど……」
「おい、変な解釈はやめてくれよ。」
「その子たちに会わせてね。それじゃあ。」
「うん。合格おめでとう。待ってるよ。」
「うん。バイバイ。」
電話が終わり、二人のところへ戻った。
「ゆうくん。彩葉ちゃんどうだったの?」
りおが聞いてきた。
「受かったって。」
そう答えると二人とも安心の表情を見せた。内心、僕が一番、ホッとしてるんだけどな……
「てことは、春からこの家?」
ひまりがキラキラした目で聞いてきた。
「そういうことだな。」
「やった〜!春からは彩葉ちゃんとも遊べるんだね!」
「彩葉ちゃんに会うのは楽しみかも。」
「二人ともすぐに仲良くなれそうだよ。」
なんなら、僕よりも仲良くなってしまうかもな……そしたら、兄としては、嬉しいはずなんだけど少し寂しい気もするな複雑な気持ちだ。
そんな事を思っているとひまりが言った。
「彩葉ちゃんとも遊びたいけど、これからもこの三人で遊ぼうね!春休みも!」
「うん。遊ぼう。」
「ひまり……りお……」
少しグッときてしまった。
「ゆうくん?」
「そうだな。三人で遊ぼう!たくさん。もっと思い出作ろうな。」
「うん!じゃあ早速、予定立てよ。」
「ひまりったら遊ぶことになったら行動が早いね。」
「当たり前でしょ、りっちゃん。遊びのプロだから。」
「何だよそれ、聞いたことないぞ。」
三人で笑った。ひまりは、いつも通りおかしくて面白い。だけど、たまに鋭い所もある。りおは、本当に僕とひまりをよく見てる。しっかりしてるけどたまに抜けてるところもあって親しみやすい。
そして、二人とも優しくて思いやりがある。僕にとって唯一無二、これ以上ない友達……いや、友達以上の関係なのかもしれない。
この先もずっと続いてほしい関係だ。




